ミクロサイズの福山城がSNS上で注目を浴びている。
「髪の毛と同等サイズのお城を築城しました。」と髪の毛と共に撮影された城の模型写真を投稿したのは精密鋳造メーカー株式会社キャステム(@IRON_IKEDA)。
この福山城(広島県福山市)の模型は高さ0.2mmという極小サイズ。超微細3Dプリント技術で作られたもので、細かなところまで城の外観が再現されており、ミクロの模型だと聞かされても思わず目を疑ってしまう。
SNSユーザー達からは今回の投稿に対して、
「拡大すると…ちゃんと城だ」「こんな細かいのも作れるのですか😳」「しゃちほこや石垣の凹凸まで作り込まれてて驚愕」など驚きの声が寄せられている。
株式会社キャステムの担当者にお話を聞いた。
近藤理菜(以下「近藤」):この城を作る際に工夫した点や、苦労した点などがありましたらお聞かせください。
キャステム:造形に必要な3Dデータの制作には強いこだわりを持って制作しました。福山市から頂いた建設当時の図面をもとに3Dデータを作成し、高さ0.2㎜というサイズでありながらも外観を完全再現しています。また、築城技術の粋を集め、お城の中でも最も美しく造られたとされる「算木積み工法」を用いた石垣も当時の写真からディスプレイスメントマッピングで完全再現しています。
近藤:これまでの反響やコメントについてご感想をお聞かせください。
キャステム:築城400年を迎える福山城を地元企業として盛り上げていきたいという思いと、弊社の超微細3Dプリント技術を沢山の方に知ってもらいたいという思いで作りました。あえて目で見えないサイズで作り、福山市に寄贈することで話題性を狙いました。結果、想像以上にたくさんの方に驚いて頂き、超微細3Dプリント技術に興味を持って頂けました。恐らく、世界最小のお城だと思いますので、日本だけでなく、世界にも届いてほしいと思います。
近藤:城を作る際に利用された3D光造形技術は他にどのようなところに活用できるのでしょうか
キャステム:全長0.2mmという、実物の約17万分の1スケールの福山城の製作を可能にしたのが、キャステムと京都先端科学大学で共同研究を進めている世界最高精度の3D光造形装置「Nanoscribeシステム」を利用した超微細3Dプリントサービスです。このプリント技術では従来の製法では不可能な形状や精度の製品を製造することが可能なシステムとなっています。ノウハウを応用することで、刺しても痛くない医療用の針、血管内を移すカメラなど極小のレンズ、生物の一部をナノレベルで再現できる可能性があります。
◇◇
株式会社キャステムはその他にも本当に動く、切れるミニチュア工具などぶっとんだ発想の製品を販売している。在庫が入荷する度に即売り切れとなる程の人気商品だそう。ご興味ある方は是非、東京にある実店舗「metamate」やオンライン販売サイトをチェックしていただきたい。
株式会社キャステム関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/iron_ikeda
metamateホームページ:https://www.metamate.co.jp/
オンライン販売サイト:https://www.ironfactory-castem.com/smp/