世の中には多くのゲームが存在するが、特に多くのプレイヤーや観客を魅了するジャンルと言えば格闘ゲームだろう。
「ストリートファイター」や「鉄拳」のようなメジャーゲームだけでは無く、インディーでも数多くの格闘ゲームが制作されているが、インディーゲームと言えど、多数のクリエイターが集まったチームでないとなかなか制作出来ないもの。グラフィッカーやデザイナー、作曲家やプログラマーが集まり、力を合わせて作り出すのが一般的だ。
しかしそんな中、プログラミングからキャラデザイン、BGMに至るまで全ての工程をすべて一人で行い、長年掛けて一つの格闘ゲームを作りあげたクリエイターが注目を集めている。
その人の名は六水条剣さん（@rokusuijo）。六水条さんの制作した「FateAxis2」は、キャラクターボイス以外は全て六水条さんがたった一人で作り上げたものだが、とてもそうは思えないほどクオリティが高く、格闘ゲームとしても面白い。ゲームセンターでもアーケードゲームとして稼働したり、大会が開催されたりしている。店舗限定とは言え、個人制作のゲームがアーケードで稼働するというのは偉業ではないだろうか。
六水条さんにお話を聞いた。
ーーたった一人で制作をはじめたキッカケは何だったのでしょうか？
六水条：小さな頃からゲーム制作がしたくて、色々とゲーム制作の舞台裏の様なドキュメンタリーを幼少期から見ていました。そもそも一人でゲームを作るのは無理だと思っていたのですが、過去に存在したゲーム会社「HUMAN」が出していたゲーム制作ツール「デジタルロケ」というものと出会い、これなら一人でも作れるんじゃないのか！？となったのがキッカケですね。
ーー幼少期と言う事はかなり昔からゲーム制作を行っていたのでしょうか？
六水条：最初にゲームを作り始めたのは、小学校５年生ぐらいですかね。当時の古いパソコンでも動く簡単なプログラムで、ゴルフゲームを作って遊んでいました。中学生の時に読んでいたパソコン雑誌に、先程の「デジタルロケ」が掲載されており、本格的に製作を行い始めました。ちょうど中学２年生ぐらいですかね（笑）。
ーーあぁー…中学２年生と言えば色々と目覚め始める時ですからね（笑）。もしかすると、「FateAxis」も中学２年の頃から構想があったとか…？
六水条：お察しの通りですね（笑）。当時はＲＰＧを作る予定で色々と世界観の構築を行っていて、キャラクターのバックボーンも多数用意していたんです。ただ、当時はゲーム制作の大変さを理解していなかった部分も多く、ＲＰＧを作るには膨大な作業が必要だと言う事がわかり、一度挫折してしまったんです。そこでもっと簡単に作れるジャンルは無いかと模索したところ、格闘ゲームならＲＰＧよりは作業工程が少ないんじゃないかと思った事と、当時同人ゲームの格闘ゲームの数々を見た時、クオリティの高さに感銘を受けて「自分も作りたい！！」と思って、シフトチェンジした結果が今に繋がりますね。
ーー思い切ったシフトチェンジですね。ＲＰＧから格闘ゲームに変えた事で作業は大幅に短縮されたと。
六水条：そうなると思ってたんですが…結局１０年以上製作を続ける形になりましたし、実はこの作品、まだ未完成でして（笑）。細部の調整や、新キャラのリリース等が終わっていないんです。
ーーえ？！まだ終わってないんですか！？と言う事は、アーケードで動いているのは、ロケテストって事になるんですか？
六水条：事実上のロケテストですね。予期せぬ動きがまだまだ見つかります（笑）。
ーー完成はまだ先と言う事は、まだまだ進化すると言う事ですね！今後が楽しみです！
今後の展望をお教え願えますか？
六水条：「FateAxis」の開発自体は続けるんですが、私自身、今作以外にもまだまだ着想はありますし、色んなジャンルのゲームを作りたいとも思っています。イラストやデザインなんかもドンドンとやっていきたいので、活動の数々を見てもらう為にも、Twitterのフォローなどしてくれたら嬉しいです。
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「FateAxis2」は現在、旧バージョンがフリーゲームとしてDL可能。最新バージョンは大阪南森町コーハツにて不定期に対戦会を実施しているので、ご興味あるプレイヤーは是非とも実際にプレイしてみて欲しい。
なお六水条さんは３Dデザインソフト「MODO」の講師を行っており、後進の育成にも力を入れている。もしかすると、氏の様にたった1人で全てを作り上げようとするクリエイターが現れるかも知れない。
FateAxis2：DLページ
