電気代の急激な高騰がゲームセンターを直撃 「〝死の宣告〟が来た」と悲鳴 原発再稼働を希望も

松田 和城 松田 和城
岡山県倉敷市のゲームセンター「ファンタジスタ」店内の様子(公式サイトより)
岡山県倉敷市のゲームセンター「ファンタジスタ」店内の様子(公式サイトより)

 電気代の値上がりでゲームセンターが閉店の危機に直面している。岡山県倉敷市「ファンタジスタ」の公式アカウントがツイートした「ついに死の宣告が来ました」という嘆きには、多くの反応が寄せられた。

 同市を管轄する中国電力は、燃料価格や電力市場価格の高騰を踏まえ、4月からの電気代見直しを発表。同店の大島幸次郎店長が試算をしたところ、年間で150~200万ほどの負担額増加が見込まれたという。「事前に値上がりするっていう話はあって、2割3割くらいなのかなと思っていたんですけど、ぱっと見ても1.5倍以上あった。本当に、これ以上一体どうすれば」と当時の心境を明かした。昨年の電気代は21年時と比べ1.3倍ほどで「じわじわと上がっていくのかなと思ってた中、急激にドンっとくるのは衝撃的でした」と話した。

 悩みの種は他にもある。新紙幣が24年度をめどに発行予定で、両替機を新しくする必要があり、その費用も決して少なくない。「やめるタイミングというか、(閉店を)決断をさせる材料はもういくらでもある。商売としてはもうすでに破綻している状態。コロナがなければまた別だったかもしれませんが…」と語った。

 今後、旧筐体(きょうたい)の撤去をしたり、遊ばれていない筐体の電源を落としたりすることを検討しているというが、ジレンマを抱えている。店内の6~7割を占めるWindowsベースのゲームは、一度電源を落としてしまうと起動するに5分程かかるといい「お客さまに迷惑をかけてしまうので、できるだけ電源を落とすのは避けたい」と葛藤を明かした。

 経営を続けるためメーカー側へ協力を呼びかけた。「お客さまが遊んでいないときはスリープモードのような感じで、節電ができるような仕組みを作ってもらえたら」。また、電力供給に関しても「国民の生活を豊かにするためにも原発を動かしてほしい」と話した。

 ツイートの嘆きに多くの反応が寄せられた。応援する声が多かった一方、「もうゲームセンターはなくてもいい」との声も見受けられたという。大島氏は「今後、ゲームセンターがある世界か、ない世界かの別れ道にここ数年立っている。ある程度のラインを超えてしまうと、メーカーさんとかもゲームセンターがない世の中の方に商売をシフトしかねない。そういう意味ではここが踏ん張りどころかなと思います」と言葉に力を込めた。

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