まるで人間のようなモデルが、アパレル製品の魅力を伝えている。Alによるファッションモデル生成サービス「AI model」がネット上で注目を集めた。モデルはAIが生み出した架空のもので、顔立ち、ヘアスタイルなどの容姿を自由自在に変化させられるという。
ファッション通販サイトの商品着用イメージ画像などへの使用を目的としたAI画像生成サービスで、AI model株式会社が今年6月に提供を始めた。画像を作る方法は主に次の2パターンがある。
(1)人体に近い形の特殊なマネキンに服を実際に着せて商品を撮影した後、頭部などをAI生成の画像で補い簡単なポーズをつける。
(2)人間のモデルが着用しロケーション撮影やダイナミックなポーズの撮影をした後、頭部などをAI生成の画像で補う。
通販でのアパレル製品購入者が気にする質感の表現について、同社の経営責任者・谷口大季さんは「マネキンで撮影をするので、シワ感とか再現度はきちんと出ます」と自信を見せる。技術責任者の中山佑樹さんも「質感・丈感を含めて商品の状態はしっかりと伝わるよう設計しています」と話した。
ファッションブランドが求める”専属モデル”を自在に作り出せることが特徴の一つ。ある製品に20代、30代、40代の風貌のモデルをつけ、それぞれの売り上げを比較することで、販売促進に最も効果的な年齢像が浮かび上がる。顔立ちも同様にして、理想のモデルを絞り込む。谷口代表は「今までのモデル設定は定性的に決められるケースが多かった。それを定量的に、こういうモデルを生成・採用しようと決められる」と語った。
ネット上では販促画像作製の効率化に期待する反面、「モデルの仕事が減る」「メイクさんの仕事も減っていく予感」と懸念の声もあがった。
中山さんは、一般的に商品のみの画像よりモデル着用画像を掲載する方が売れ行きはよくなるが、コストや時間の都合で人間のモデルに依頼できるブランドばかりではないと説明。「モデルさんの代わりにというより、物の撮影しかできない時に(着用)イメージをすぐに作れることがポイント」とした上で「(AI modelの着用画像で効果が出たら)実際にモデルさんでもっと撮影してみようとなるかもしれない。(モデル撮影の)仕事を取っていくというより、機会を増やす側のソリューションだと認識している」と強調した。