サラリーマン10年選手が作った「遊んで覚える社内政治」に共感多数 “根回し”で目指せ「稟議王」

ボードゲーム「稟議王」
ボードゲーム「稟議王」

 社内政治を勝ち抜き社長のハンコ獲得を目指すボードゲーム「稟議王」が、「部署間の力関係」「根回し」などの”サラリーマンあるある”ネタで共感を集めている。国内最大規模のアナログゲームイベント「ゲームマーケット」では、初出店にして即完売。会社勤め歴約10年の中堅社員たちが考案したゲームの注目が高まっている。

 「遊んで覚える社内政治」をうたい、使用するカードには「『俺は聞いてない!』を回避するため、稟議内容を直接説明した」、「電子稟議システムが導入された(ただし、上長は紙書類も要求する)」などのパワーフレーズが満載。プレーヤーがサラリーマンになりきり「稟議ポイント」を増やしていくゲームで、ポイントを「課長」や「部長」の「承認印」と交換し、社長の承認印をいち早く獲得した人が勝者となる。

 「営業部」は「製造部」に強く「研究開発部」に弱いなど、部署間の力関係に基づいた「業務の押し付け」機能も登場する。2~4人向けで、プレイ時間は約20~40分。

 制作したのは4人組サークル「NBO Nagoya Buru-Orenji」。メンバーは高校生時代からの友人同士で、30代前半になった今も遊ぶ仲良しグループだ。それぞれが機械系メーカーの法人営業担当、食品メーカーの開発担当、とあるメーカーの総務担当、医療メーカーの品質管理担当と、異なる業界・職種で働いている。4人が飲み会などで「職場あるある」に盛り上がるうち、ボードゲーム化の企画が生まれた。

 4人ともボードゲーム作りは初挑戦。サークルで広報を担当するヒロさんによると「分からないことはきちんと調べる」「みんなで話し合って結論を出す」「納期通りにやりきる」など会社員のスキルが制作過程に生かされたという。ヒロさんは「会社を皮肉ったゲームを作っているものの、会社で培ったことでゲームを作っている」と苦笑した。初めての“広報”は手探り状態で「他社をベンチマーク」するように他のサークルの宣伝手法を参考にした。

 完成したゲームは発売前から多くの共感と注目を集め、4月下旬に都内で行われたアナログゲームイベント「ゲームマーケット」では、開始1時間で予定数が完売した。現在は再販売に向け、オンラインで予約を受け付けている。詳しくはNBOのツイッターアカウント(@NgyBrOrj)で告知する。

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