神戸市の機械工具商社・吉岡興業で12日、従業員を対象とした「麹(こうじ)講座」が開かれた。約20人が麹の健康効果を学び、実際に醤油(しょうゆ)麹作りを体験。麹を使った食事とともに日本の食文化へ理解を深めた。
「従業員も含めて会社は『大家族』。家族みんなで元気になってほしい」という願いで、同社の吉岡洋明社長(56)が発案。全国で食育活動を行っている「玄米酵素」の大阪支社・和田幸大主任(35)が講師を務めた。
和田氏によると、玄米食や麹などの発酵食品には、便通改善など腸内環境を整えて免疫機能を促進する効果があり、美肌や長寿をサポートするとして、女性や高齢者の間で関心が高いという。
「腸脳相関」をキーワードに、米国の研究で、えさを好きなだけ食べたサルと食事管理したサルの間では、老化や寿命に大きな違いがあり、解剖の結果、前者のサルの脳が「スカスカだった」事例も報告。認知症にも関連するとして、腸内環境を整える大切さを説いた。
麹について学んだ後、参加者たちは実際に醤油麹作りを体験。顆粒状の麹に醤油を入れて混ぜるだけの手軽さで、オリジナルの“マイ麹”を仕上げた。醤油以外でも「タマネギ麹」「トマト麹」なども自作できるという。
また、麹を使った特製弁当もふるまわれ、玄米ごはんや麹みその大根煮、鶏の麹ダレなど彩りも豊かな品々は「自然な甘みが美味しい(30代女性)」「腸が活性化してくる感じ。明日から(仕事も)はかどりそう(笑)(40代男性)」と好評だった。
同社はこれまで、“アイデアマン”の吉岡社長が、さまざまなイベントを企画。全社員仮装ハロウィン(仮装代一部支給)や写真&ポエムコンテスト、地域住民を招いた餅つきなどが開かれ、2023年の阪神タイガース日本一の際は全従業員にパインアメが配られた。