2022年にファミコン向け新作ゲームが!カセットで発売「アストロ忍者マンDX」

杉田 康人 杉田 康人
2月25日に発売される「アストロ忍者マンDX」(コロンバスサークル提供)
2月25日に発売される「アストロ忍者マンDX」(コロンバスサークル提供)

 東京都のゲーム周辺機器メーカー・コロンバスサークルは、ファミコンとファミコン互換機向けの最新ゲームソフト「アストロ忍者マンDX」(税込5478円)を2月25日に発売する。家庭用ゲーム機などで、ゲームが簡単にダウンロードできる2022年の今、なぜファミコンカセットでゲームがリリースされるのか?販売元に聞いた。

 レトロゲームが脚光を浴びる中、昭和を代表する〝レトロゲーム機〟のファミコン向けに新作が出る。「アストロ忍者マンDX」はプレーヤーがアストロ忍者マンになり、宇宙からの侵略者に立ち向かう簡単操作が売りのシューティングゲーム。漫画家でゲームクリエイターのRIKI氏が個人製作し、プレミア化したファミコン向け〝同人ゲーム〟「アストロ忍者マン」に磨きをかけ、コロンバスサークルが商品化した。

 オート連射&左右キーのみ操作するゲームだが、担当者は「ファミコン全盛期よりもプログラム技術が進化しているので、ボスキャラの動きや流れている音楽などが違います」と話す。塩田信之氏、並木学氏といったゲームミュージックの大家が音楽を担当。8ビットゲーム機の限界に挑戦したド派手な画面、音楽のシューティングゲームになっている。

 アマゾンなどの通販をはじめヨドバシカメラ、ビックカメラなど大手家電量販店のゲーム売場でも販売される。SwitchやPS5向け一般作の販売本数にもひけをとらない数千本が販売される予定で、担当者は「40~50代からの反響が大きいが、昭和ブームで若い層のゲーマーやコレクターからの反響もある」と明かした。

 同社では、2016年からファミコン、ファミコン互換機向けのカセットを販売。過去に他社から販売されたゲームの復刻版なども手がけており「アストロ忍者マンDX」が9作目になる。レトロゲームはRTAと呼ばれるゲーム早解きやゲーム実況配信と相性が良く、YouTubeを通じて新たな需要を掘り起こしている。

 任天堂のライセンス製品ではないため、あくまでオリジナル製品となるコロンバスサークルのファミコン向けゲームソフト。国内では唯一のメーカーだという。同社は昔のファミコンカセットで遊べる互換機も販売しており、担当者は「ファミコン自体はもう売っていないので、カセットを販売することで一緒に互換機も売れてくれれば」と期待を寄せた。

 レトロゲームが最新の家庭用ゲーム機でダウンロードできる今、同社はファミコン向けカセットでのゲーム販売にこだわる。「配信やダウンロードだけではなく、物を手元に持っておきたいという人や眺めて楽しみたいコレクターなど、明確なターゲットがいる。今後も喜んでいただける分野でやっていきたい」(担当者)と、ファミコン世代の購買欲をくすぐる。

 令和の時代にも、まだまだ作られていたファミコン向けカセット。担当者によると、生産には一定程度の本数が必要なためなかなか増産が難しいという。「売り切って終わりになりますが、売れれば次のゲームにつながります」。個人製作された「アストロ忍者マン」は、2020年5月の発売直後に完売。商品化された「DX」にも、リリース前から熱い視線が注がれている。

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