衝撃ニュース「千葉のジャガーが星に帰還」にネット民の解釈が二分 “真相”を探る

北村 泰介 北村 泰介
「千葉県40歳のW成人式2019」に登場したジャガーさん=千葉市民会館(2019年1月撮影)
「千葉県40歳のW成人式2019」に登場したジャガーさん=千葉市民会館(2019年1月撮影)

 1980年代から千葉県のご当地ミュージシャンとして地元メディアで露出し、近年、日本テレビ系「月曜から夜ふかし」で全国区の知名度を得たJAGUAR(ジャガー)さんが、出身地と称する「ジャガー星」に帰還したと、所属事務所が4日に発表した。全国紙を含むネットニュースでも「星に帰還」という表現のまま報じられ、その真相は7日時点で明かされていない。ネット上で「ご不幸があった説」と「引退説」に解釈が二分され、憶測が交錯している現状をまとめ、「千葉のジャガー」の〝ホームグラウンド〟だった地元の千葉テレビ(チバテレ)にも問い合わせた。

 所属事務所による発表文は「地球の皆様へ」に向けて「令和3年、JAGUAR星人のJAGUARが、大好きな地球よりJAGUAR星に帰還いたしました」と報告。「帰還の具体的な時期と理由」に関しては「本人の意思により非公表」とされ、「地球での音楽活動、タレント活動、全ての活動において皆様からの沢山の愛をいただけましたことを、心より感謝申し上げます。皆様の心の中にいつまでも、JAGUARの笑顔が届きますように願っております。夜空を見上げた時、特別に輝く星がございましたら、きっとJAGUAR星です。『JAGUARさーん!』と手をふっていただけると幸いに存じます。いつもJAGUARを大切にしていただき、本当にありがとうございました」とのメッセージを発信した。

 一般論として、人が「星になる(還る)」という表現は「この世を去る」と解釈される。文面から「永遠の別れ」を感じ取った人たちは、「お察しください」という行間を読み取り、大人の対応で感謝の言葉を贈り、その労をねぎらっている。

 その半面、安否を気遣う声も続いている。4日の発表から約1時間後に更新されたツイッターの公式アカウント(JAGUAR@jaguardes)に「大好きな地球のミナサーーーーーン みんなー元気かーい!! ウフフ」と本人の影とおぼしき画像を添えた投稿があり、5日にもほぼ同内容を連投。このツイートを根拠に「お元気でよかった」という反応が相次いでいるが、一方では「スタッフの投稿」である可能性を指摘する声もある。

 「地球上での仮の姿」(実業家として知られる人物)の身に何かが起きていたとしても、「ジャガーは不老不死であり、故郷の星に帰った」という設定が堅持されているのが現状だ。これ以上は詮索しようがないので、視点をずらして「星」という発想の由来を考えてみた。

 ジャガーさんのファッションは「ヘビメタ」などと形容されることもあるが、リアルタイムで直撃したであろう70年代前半の「グラムロック」からの影響を感じる。「ジャガー星」という発想も、その代表的な存在だったデヴイッド・ボウイの「ジギー・スターダスト」が連想され、「星に帰還」という表現はボウイの遺作となったアルバム「ブラックスター(★)」(2016年)に重なった。あくまでロック史を踏まえた上での私見だが、「星に帰還」とはジャガーの「原点回帰」(生物学上の生命があるなしに関わらず)。先日、その時期を迎えたということなのだろう。

 「星に帰還」を速報したのがチバテレだった。ジャガーさんは80年代初頭に同局で自前コンサートの告知CMを打ち、85年から放送枠を購入して自ら制作・主演したプロモーション番組「ハロー・ジャガー」を毎週放送。少年時代からその映像を脳裏に刻んだ氣志團の綾小路翔やマツコ・デラックスら千葉県出身の芸能人に「地元のヒーロー」とリスペクトされる背景には地域密着のメディア活動があった。

 同局は、よろず~ニュースの取材に対して「(発表内容以上の)コメントは控えさせていただいております」としつつ、「ハロー・ジャガー」について「第1期が85年10月から94年3月(5分番組)、第2期が05年3月から06年10月(5分番組)、第3期が10年4月から同10月(10分番組)、第4期は45周年となる16年5月から6月まで(5分番組)」と補足した。

 ジャガーさんが同局の放送開局45周年事業応援団長に就任した16年4月、担当者は記者の取材に「唯一無二の存在です。ぜひ、ジャガー星にチバテレのジャガー星支社を作っていただきたいです」と回答している。同年10月にはチバテレ社長賞を受賞し、17年4月にはチバテレ終身名誉応援団長に就任。まさに局の「顔」だった。この先、「ジャガー星支社」から「ハロー・ジャガー」が地球に中継される日は来るだろうか。

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