「錆びない鉄柱」「アンティキティラの機械」古代文明のロマン・オーパーツ どうやって作った?

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学生時代に金属工学を専攻していた筆者にとって、今でも忘れられない授業のワンシーンがある。それはインドにある「デリーの錆びない鉄柱」に関する議論だ。

授業の中では鉄の錆を防ぐ「防食技術」について説明があり、塗装をしたり鉄に添加物を混ぜて錆びにくくしたり、さまざまな錆を防ぐ方法を学んだ。一方で、主だった防食技術が施されていないのにも関わらず錆が進行していない鉄柱も存在している。それが「デリーの錆びない鉄柱」なのだ。

授業をおこなった当時の議論では、「コーティングを実施していた」や「特殊な原料で作られていた」などさまざまな錆びない理由が提案されたが、どれもこの鉄柱が作られたとされている西暦400年の技術では実現不可能であることから、結論に至ることができなかったことを記憶している。

この錆びない鉄柱のように、その当時の科学では説明のつかないものを一般的にオーパーツと呼んでいる。では、他にはどんなオーパーツがあるのだろうか。

有名なオーパーツのひとつに「アンティキティラ島の機械」がある。1901年にギリシャのアンティキティラ島沖で発見された古代ギリシャの機械式計算機で、天体の動きを予測するために使われたと考えられている。今から2000年以上も前に作られたとされるこの機械には、30個以上の歯車が搭載されており当時の技術では到底製作できないオーパーツと議論が続いている。

またこの機械への研究は現在でも進んでおり、2024年には同機械が1年を354日で計算する太陰暦のカレンダーだった可能性が発表された。

一方で、発見当初はオーパーツと騒がれたものの、後の調査で偽物だと判明したものもある。その代表例が「クリスタル・スカル(水晶髑髏)」だ。1920年代に冒険家によって中央アメリカで発見されたもので、精巧な作りで内部にプリズム効果を持つ水晶製のドクロである。

2008年にスミソニアン研究所がおこなった調査により、近代に制作された偽物であるとわかったのである。同様のクリスタル・スカルは今まで12個発見されているものの、本物だと判定されたものはないようだ。

これまで謎に包まれていたオーパーツの数々も、今後の技術の進歩と共に解明が進むだろう。偽物だと判明して落胆するようなこともあるかもしれない。それでも、古代に想いを馳せ、オーパーツの世界を味わうことは貴重な経験となるだろう。

もしかしたら、新たなオーパーツも見つかり、いつか本物に出会えるかもしれない。技術の限界を超えた古代のロマンに触れ、想像力を羽ばたかせてみてはどうだろうか。

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