現在のインディーズ会社によるデフォルメ怪獣ソフビブームのきっかけになって、今年で30年。そのきっかけを作ったのがソフトビニール(ソフビ)メーカー『M1号』のケムール人だった。
1966年に『ウルトラQ』が放映され、第一次怪獣ブームが巻き起こる。ブームの誕生は、作品、書物(雑誌や図鑑)、玩具の力で大きなムーブメントとなった。1971年から第二次怪獣ブームも起こり、その二大ブーム時代にメイン怪獣玩具となったのがマルサン&ブルマァク発売の怪獣ソフビだった。『M1号』が作ったケムール人は、当時のマルサン&ブルマァクテイストを継承し、しかも当時発売されなかったキャラクターの商品化だったので、爆発的大ヒットとなった。
あれから30年。現在は様々なメーカーがソフビ人形を作り、ある時からオリジナルソフビと呼ばれるアーティストによるキャラクターが大人気となって来る。そんなメーカーの一つに『レッドシャーク』というのがあり、ここ最近人気が出て来ている。
『レッドシャーク』のオーナー・近藤哲也さん(47)がソフビを作るようになったのは、約4年前に親交のある漫画家・にわのまこと先生の『にわのまこと画業30周年』の原画展で、モモタロウのソフビがある事情で販売されなくなったので、誰も作らないなら自分で作ろうと思った事が始まりだった。
その後、アメコミ作家のグリヒル先生にデザインをお願いし『シャークガール』と『シャメロット』のソフビを発売。その次は版権物で『銀牙』ソフビを販売した。
悪戦苦闘する日々が続くが、オリジナルキャラのアニマル柔術アニマルファイターシリーズを作り、クマのソフビを発売すると、アメリカの有名メーカー『ミュータントビニールハードコア』からコラボの申し出があり、それ以降、レッドシャークのソフビは多くのオリジナルソフビ好きに知られるきっかけとなった。
歯車が回り出すと状況は次から次へと進み、9月18日から26日まで東京・中野ブロードウェイ3階『墓場の画廊』で『レッドシャーク展』が開催される事となる。アニマル柔術ファイターシリーズのクマ(熊)、ゴーストドッグ(犬)、クレイジーブル(牛)、デーモンボア(猪)、マッドコブラ(蛇)、『アートジャンキーさん』リデザインのチビ柔術ファイターちびクマがニューカラーで発売予定。即日完売の可能性があるので、オリジナルソフビコレクターは、コロナに注意しながら『墓場の画廊』に行く事をおすすめします。