コロナ禍に打ち勝つ映画「クワイエット・プレイスー」で見えた“共感” 大阪なおみのことが頭に

伊藤 さとり 伊藤 さとり
「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」のワンシーン
「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」のワンシーン

 ◆コロナ禍のハリウッド事情

 新型コロナウイルスが猛威をふるい、パンデミックが起こった現代。ロックダウンとなった都市も世界的に多く、ハリウッドも漏れなくそれに伴い映画館休館。早くにワクチン開発をし、急速に接種が始まったアメリカでは、3月15日からロサンゼルスの映画館が営業再開となりました。

 映画大国にとっては大きな痛手であり、配信サービスを持つディズニーは、実写『ムーラン』ではアメリカを含む一部の国での劇場公開を断念、『ソウルフル・ワールド』(本年度アカデミー賞長編アニメーション賞受賞)『ラーヤと龍の王国』などは早い段階で劇場公開を諦め、配信に切り替えるなどの策を取りましたが、その他のスタジオを考えるとやはりワクチン接種が現時点で産業をつぶさない要になる気がします。

 ◆コロナ禍で大ヒットしたサバイバル映画とは

 そんな本国アメリカで5月28日に公開され、早くもコロナ禍史上、最大のヒットを飛ばした映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』が日本では6月18日公開。待ってましたよ、ハリウッドメジャーの劇場公開を!前作『クワイエット・プレイス』は2018年に公開され、世界的に大ヒットを記録、すぐにシリーズ化決定となった作品です。では何故、そこまでヒットしたのか?

 まずは前作の日本版ポスターも素晴らしく、興味をそそるものでした。「音を立てたら、即死。」というキャッチコピーも絶妙です。更に見たいと思わせる物語設定なのです。だって、ある日突然、世界に得体の知れない“何か”がやってきて、ソレは音に超敏感で、気づかれたら高速で殺される、というお話なのですから。

 パート2は、前作の母親と、聴覚障害の長女、ちょっと臆病な弟、そして赤ちゃんというエヴリン一家が引き続き登場。パート1同様、すぐ泣く赤ちゃんをどうやって泣かせないようにするのか、耳の聞こえない長女はどうやって音を立てずに生きていくのか、怖がりの弟は動揺せずに危機を乗り越えられるのか、といった緊張感を味わいつつ、子供たちの成長を見守り、“何か”が初めて地球にやってきた日も描かれているので謎が解けて気分はスッキリ。

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