「わしの著作物なんだよね」 ファスト映画問題を風刺した4コマ漫画が話題に

中将 タカノリ 中将 タカノリ

規制強化により複数の逮捕者が出ている「ファスト映画」問題。

ファスト映画とは映画等を無断で10分間程度に編集したもので、YouTube等で公開されることで作品の権利を大きく侵害していることが指摘されていた。今Twitter上ではそんなファスト映画問題を風刺した4コマ漫画「運命」が大きな注目を集めている。この作品はこれまでにSNS上でさまざまな4コマ漫画を発表している留々家さん(@ruru_ie)によるもの。

ファスト映画の視聴者に

「今からお前の運命を10分にまとめた『ファスト運命』を見せてやる」

と悲惨な末路を見せつける悪魔。

その悪魔に対しさらに

「その運命わしの著作物なんだよね」

と警告する神様…

問題を鋭く風刺するそのストーリーに、SNSユーザー達からは

「風刺漫画とは本来こうあるべきというお手本のような作品でした・・・
素晴らしい・・・!」

「公益性のないまとめサイトだとかも、そのうち摘発されそうですね。
『ファスト映画』は、よくないことだと思うんですが、ネット言論の萎縮効果が気になります。」

「神様夢のない物語書くなぁ。」

「ファスト映画ではないけど、ウィキペディアのあらすじだけ読んで(大抵最後まで書いてあるし)満足している自分も似たようなものかな
全ては情報の一つにすぎないという意味では悪く無いんだけど、著作権と利益のダブル役満はあかん」

など数々のコメントが寄せられている。

留々家さんにお話を聞いてみた。

中将タカノリ(以下「中将」):この漫画を書かれたきっかけをお聞かせください

留々家:「ファスト映画」がTwitterのトレンドに上がっていたからです。これまでもTwitterのトレンドで見かけた言葉をお題に、4コマ漫画のネタを考えることはたびたびありました。

中将:ファスト映画はご覧になっていましたか?ファスト映画の存在や、今回の規制強化についてご感想をお聞かせください。

留々家:見ていなかったです。違法だからというのはもちろん、結末に至るまでのすべてを見ずに結末を知ってしまうのは、もったいないことだと思うからです。結末を解釈するためのすべての判断材料を受け取ったうえで、初見の驚き、新鮮さとともに結末を迎えたいと思うのは、映画ファンとしては当然の心理ではないでしょうか。
しかし、4コマ漫画の描き手としては、ファスト映画を見る人の気持ちは全く理解不能なものではありません。ファスト映画は「どうなるのだろう」「なるほど、そうなるのか」という物語の快をインスタントに満たすものであるからです。そして4コマ漫画はまさしくそのようなジャンルです。

中将:これまでのSNS上での反響についてご感想をお聞かせください

留々家:ファスト映画のように人生も要約してみせるというアイディアはベタだと思ったので、そこからもう一段オチをつけたのが受けたのかなと思います。


留々家さん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/ruru_ie
◇ ◇

留々家さんは今回の「運命」以外にも世相や人の心理を反映した作品を多数発表している。ご興味のある方はぜひ留々家さんのTwitterアカウントをチェックしていただきたい。

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