「ホスト万葉集」分断した“夜の街”と“昼の街”を教養でつなぐ…俵万智氏らも歌会に

2018年から続く歌会で選者を務める俵万智氏(写真は2019年5月17日)
2018年から続く歌会で選者を務める俵万智氏(写真は2019年5月17日)

 今作は、昨年7月から11月までのコロナ禍真っただ中に詠まれた歌が収録されている。選者とホストたちはオンライン会議システム「Zoom」を使って毎月の歌会を続け、集まった歌は合計591首。その中から俵氏ら選者によって375首が選ばれた。

 「マスク盛れ 活かさぬ手はないイロ掛けて 君は手の上 コロコロコロナ」(三継大貴)

 「ギラギラと偏見の視線浴びながら おれはほすとでキラキラするよ」(流石翼)

 収録歌には、上記のようにホストの専門用語を交えた歌や、コロナ禍で“疎外されている側”として詠まれた、エッジの効いた作品もある。

 始めた頃は「店舗から何人ずつとか、強制的に参加させてた」という歌会だが、「だんだんその中で楽しいなって思うような子たちが出てきてくれて。そういう子たちはもう、10~15人くらいは毎回参加するようになっています」と参加者の意識に変化が出てきた。

 手塚氏は見どころについて「歌舞伎町とか、夜の街が糾弾されたことは風化していくと思うんです。その中で、僕みたいに多少喋り慣れているやつではなく、歌舞伎町の、市井の人間たちの生の声をあれだけの数収録できている『巻の二』は歴史を残す(という意味の)価値があると思います」と語った。

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