中将:今回収録される楽曲の制作時、レコーディング時の印象的なエピソードがあればお聞かせください。
大槻:今回ディスコ調なんですけど、ステイホームの時にディスコをかけるコミュニティFMの番組を毎晩聴いていて「お!ディスコ来た~」嬉しくてノリノリで歌いました。コーラスにプログレアイドルのキス・アンド・ハグ エクストリーム(キスエク)の皆さんが参加してくれたのも楽しかった。
中将:もうすぐ(※2月6日)大槻さんの55歳のお誕生日ですね。10代でバンドを始められた頃、ご自身が50代になっても現役でミュージシャンとして活動しているイメージはありましたか?
大槻:僕が10代の頃、55歳でロックやってる人なんて海外にもほとんどいなかったんじゃないかな?ただ、「アダムスキー型UFO」の語源である宇宙人コンタクティー(交信者)のジョージ・アダムスキーが初めて金星人に遭遇したのは60歳前後なんですよ。それを思えば「アダムスキーさんで言えばオレなんかまだ宇宙人にも会っていねぇ!まだまだだ」と思って頑張るようにしています。あと、若いミュージシャンの作る曲を聴いて刺激をもらいたいな。
◇ ◇
2月6日には大槻の55歳の誕生日を祝して、ライブ&トークイベント「オーケンナイトニッポン8 大槻ケンヂ生誕祭!ロック55号」が配信される。長引くコロナ禍によって苦境にある音楽界、サブカルチャー界だが、その旗手とも言える大槻さんや特撮がその歩みを止めていないのはなによりの朗報だ。ニューアルバムがどのような仕上がりになって世に放たれるのか期待して待ちたい。
なお近年は「緊急検証!」(CSファミリー劇場)などオカルト、心霊番組でのメディア露出が多い大槻だが、筆者個人的にはやはりその魅力の神髄はライブにあると思っている。今のところ、2019年8月に「umeda TRAD」(大阪市)で開催された特撮のライブが最後の参戦になってしまっているが、コロナ禍が緩和された際にはまたラバーソールを履いた友人のサブカル連と連れだって、その熱い歌声とトークを体感しに行きたいものだ。