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“仏壇兼お墓”手元供養の新しいカタチはコンパクトでスタイリッシュ!将来的な安心も

悠々〜ライフ

田中 靖 田中 靖
粉状にした遺骨を陶芸技術を使って焼成した伊藤石材工業の「Amos」
粉状にした遺骨を陶芸技術を使って焼成した伊藤石材工業の「Amos」

 近年、大切な人を偲ぶ方法として「手元供養」の人気が高まっている。お墓を建てて仏壇を設置するのは、費用やスペース、将来的な維持管理面から困難という人にとって、ひとつの選択肢となっている。そんなニーズに応えようと、茨城県の石材業者が、陶芸技術を使った手のひらサイズの“仏壇兼お墓”を開発。永代供養墓利用権とセットにすることで「新しい手元供養のカタチ」として注目を集めそうだ。

 幅85mm×高さ47mm×厚さ23mmで重さ約180g。手のひらに収まる白いレンガ状の焼き物は、遺骨を粉状にし、陶芸技術を用いて焼き固めたもの。表面に文字や図柄が彫刻され、スタイリッシュなオブジェのようだ。開発したのは伊藤石材工業(茨城県桜川市)。ラテン語で愛という意味の「Amos(アモス)」と名付けられた。

 製造のきっかけは2011年頃、同社社員が顧客宅を訪問した際、タンスの上や本棚に白木の位牌や骨壺をそのまま祀(まつ)っているのを見たことから。仏壇を設置すれば数十万円かかり、お墓を持つにも数十万~百万円以上かかる。経済的にも室内スペース的にも苦労する姿を「どうにか助けられないか」と考え、開発が始まった。

 遺骨を粉状にして焼き固める。一見、単純な工程に思えるが、火葬された遺骨の主成分であるリン酸カルシウムは融解温度が高く簡単に溶かせない。また、結合させるためのバインダー(粘土成分)に最適なものは何か、粉状にする際の粒の大きさは、など分からないことばかり。実験だけで1年以上取り組み、茨城県立笠間陶芸大と共同で成型技術を開発した。

 親族がいなくなるなど、将来的にも“置き場所”に困ることがないよう「かすみがうら合祀墓」の永代供養権とセットで販売する。「Amos」製造費・専用台と合わせて1柱33万円。全国から申し込むことができる。

 同社お客様ご案内係の伊藤英朗さん(56)は「お墓を持てることはとても幸せなことです。しかし、諸事情でお墓を持てない方もいらっしゃります。そういった方への選択の一つに選んでいただければありがたいと思います。『いつでも』『どこでも』『気軽に』『安心して』お参りしていただきたいと思います。高齢者住宅、グループホームなど、私的に利用できる床面積によってはお仏壇も置けない可能性もあります。こういった方が、窓辺にアモスが飾られ、安心してお参りでき、お引越しもそのまま、ご自身で移動できる。そしてご自身が幸せに生活できることを期待します。『新たな故人の祀り方』として、ゆっくり知っていただければ」と話す。

 詳細は伊藤石材工業(https://www.stone-ito.co.jp/)まで。

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