シニア世代は生成AIの進化をどう受け止め、自身のキャリアにどう向き合おうとしているのか。株式会社BEYOND AGEはこのほど、全国の50~65歳の男女150人を対象に「生成AI利用に対する懸念調査」を実施、結果を公表した。
「もう自分は生成AIに勝てないと思うか」を聞いたところ、「一部の分野では、「完全に」を合わせると9割以上がAIへの敗北を認め、自身の能力を上回る存在として広く認識されていることが分かった。特に4割以上が「完敗」を感じ、その進化速度に圧倒されている様子がうかがえる。もはやAIと戦うのではなく、得意領域を任せて人間ならではの価値発揮に注力する、新たな協働関係の構築が求められている。
自身の仕事がAIに「完全に奪われるまであと何年くらいだと思うか」では、「しばらくは奪われない」という楽観的な回答は約4割にとどまり、残る6割が10年以内に自身の仕事がAIに奪われると予測した。「3年~10年以内」という回答がボリュームゾーンの一つとなり、技術の進化スピードを肌で感じ、近い将来に自身の役割が置き換わるという危機感を現実的に抱いている層が多い。
AIが社会に広く浸透した後の自身の給料に関しては、「変わらないと思う」が最多となり、「下がる」を上回った。能力的な敗北を認めながらも、それが直ちに自身の待遇悪化に直結するとは限らないと考えているようだ。
AIが社会に広く浸透した後、最大の心配事では、「特にない(28.0%)」が最多だったが、残る7割以上は何らかの不安を感じていた。内容は「働き口の喪失(20.7%)」「給与低下(18.7%)」といった経済的な懸念から、「社会との断絶(16.7%)」「やりがいの喪失(16.0%)」といった精神・社会的な懸念までほぼ均等に分散。AIがもたらす影響の多面性と、各人が抱くリスク認識の多様性が浮き彫りとなった。
AIに仕事を奪われないために、現在準備している対策では、過半数の54.0%が「特に何もしていない」と回答。危機感を持ちつつも、具体的な行動に移せていない。一方で、対策済みの層は「AI不可侵スキルの習得」や「AI活用スキル」に注力し、準備の有無による二極化が進んでいる。今後のキャリア形成には、意識を早期に行動へ変えることが不可欠だ。
AIに「奪われない(代替されにくい)」と思う仕事の特徴を尋ねたところ、「感情への寄り添い(42.7%)」と「肉体労働(30.0%)」が突出し、全体の7割以上を占めた。かつては人間独自の強みとされた「創造性」や「意思決定」の期待値は低く、AIが苦手とする物理的な現場対応や、心を通わせる情緒的価値が「最後の聖域」として強く意識されている。
AIは「敵」か「味方」かを二択で聞いたところ、「味方(13.3%)」「どちらかといえば味方(60.7%)」を合わせると、74%がAIを肯定的(味方)に捉えていた。危機感を抱きながらも、AIを排除すべき「敵」とは見なさず、むしろ自身の業務を助け、生活を豊かにしてくれるパートナーとして受容していることが分かる。恐れと期待が同居する中で、共存への現実的な適応が進んでいると言える。
◆株式会社BEYOND AGE(https://beyond-age.net/)