草原で楽しそうにダンスをする年齢や性別が異なる6人の男女。手をつなぎ、グルグルと回るうちに、一人の男性の姿が消えると……その男性はとある電車の中に?!このダンスは一体なんなのか?なぜ、男性は別の世界へ飛んでいったのか?ナゾがナゾを呼ぶ、ミステリー系シュール作品「ダンス」。
独特なタッチの作画や、一筋縄ではいかない異色のストーリー。その異質な作品を次々とSNSに発表しているのが、肥溜めさん(@k_o_e_d_a_m)。趣味の一環で創作を続けてきたというその作品は、どれも唯一無二の魅力を放っている。
こうした作品は、どのような発想から生まれるのか。作者である肥溜めさんに、創作における思いや、今後の展望についても話を聞いた。
キャラが「しゃべりそうなこと」が作品の骨格
学生時代から趣味のひとつとして創作を行ってきたという肥溜めさんは、類型にない異色作を次々と発表している。現在の短編中心のスタイルも、独自の思いが表現されている。
「落書きやちょっとした思いつきの延長線上で漫画にしていたので自然と短くなってしまうというのが一つの理由です。単純に短い方が作業に時間がかからないで済んだり、飽きが来にくいので1ページ〜数ページになっているというのも理由です。つまり、準備なしに手っ取り早く脳の報酬系を刺激できるから、というのが理由かもしれません。本当はちゃんとした読み切りが描いてみたいです。でも短尺だから実験的なことが試せるというメリットがあるのかなとも最近感じています」
作品を生み出す背景も肥溜めさんらしい。まだ、確立していないというが、その発想法は個性的だ。
「まず落書きをして、いい感じの顔やある種の作画表現が出来上がった時に、そのキャラがしゃべっていそうなことや、しゃべらなそうなことを言わせたり、置かれている状況を少し考えて、あとはだだだーっと描いていきます。それでたまにいい感じのができることもあるのですが、全然ダメな時もあり、再現性がなくて困っています。なにからどう発想するのかは自分でもよくわかりません」
唯一無二の道を突き進む、肥溜めさんの今後の目標は?
「もっとたくさんの漫画を作って、それらをコピー本にしてどこかで販売したいと思っています。それが当分の目標ですが、達成できる自信はありません。まじでもう描くことがなくなるかもしれません。なので、ひとまず生きるということが今後の自分の展望であり目標ということにしたいと思います」
その思いの中で、どのような作品が紡がれるのか。期待したい。
<肥溜めさんInformation>
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