「古い水栓レバーの交換を」の声 能登半島地震を機に話題 火災の被害を防止したい

中将 タカノリ 中将 タカノリ

1月1日に発生した能登半島地震では地震自体はもちろん火災も被害の大きな要因となった。

今、SNS上では災害時に少しでも火災の被害を防ぐため水栓レバーの交換を呼びかける意見が大きな注目を集めている。

「レバーを下げる→水が出る
    上げる→水が止まる

いまだにこのタイプを使ってるなら現仕様(逆のヤツ)に交換するだけで震災対策になります

地震発生→物が落ちる→レバーが下がる→水(湯)が出る→給湯器が着火→火事になる

阪神大震災以降、水栓レバーの仕様が統一されました」

と動画を交えて注意喚起するのはトイレ屋へっちゃんさん(@suidouya3Toilet)。

地震のはずみでレバーが下がり、給湯器が作動してしまうという恐ろしいこの現象。1980 年代からはレバーを上げて水を出すタイプの水栓が普及したがそれ以前はほとんどが下げて出すタイプ。古い家屋だとその率は特に高いようだ。

今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは

「えー😱うちそれより数年あとに建てられて格ハウスメーカーが地震対策の強化を売りに出し始めた頃の家ですがレバーはキッチンも洗面所も下げると出るタイプが付いてます😱
水漏れは無いですがそろそろパッキンが劣化してきたので丸ごと交換したら良いですね👌🏻✨」
「阪神淡路大震災では御飯時に地震が発生したため火災の発生も多かったそうです。
しかし地震で物が落ちて多くの家庭で水が出しっ放しの状態となり水圧が不足し消火が難航、被害がさらに増えた経験を元にこのタイプのレバーに変更されたという話もあります。」
「補修部品の供給が終わって4年が過ぎました。『古すぎる製品』なので丸ごとお買い換え下さい。(TK231 1985〜1997年販売)」

など数々の驚きの声やさらなる情報が寄せられている。

トイレ屋へっちゃんさんにお話を聞いた。

ーー今回の投稿のきっかけや思いをお聞かせください。

へっちゃん:私は水まわりの修理の仕事をしています。現場で、旧式の水栓(蛇口)を見つけたときには必ず今回の投稿のようなリスク説明をするようにしています。能登半島地震が発生したこのタイミングであれば、より広くより真剣に心にとめてもらえると思いポストしました。

ーーレバー交換は素人でもできるのでしょうか?

へっちゃん:まず、レバーの交換だけでは上下逆の仕様を直すことはできません。水栓本体ごとの取替えが必要です。水栓本体の取替えは、素人では難しいと思います。工具が揃っていて、ある程度の知識が必要です。

ーー業者に交換を依頼した場合、適正価格は?

へっちゃん:水栓取替えの相場は工賃1〜2万円。それに加えて水栓本体代が、安いものなら1万円前後、普及型なら3〜5万円ほど。高いものは10万円以上です。

ーー投稿の反響へのご感想を。

へっちゃん:想像以上にいいねとリポストをいただけて驚きました。「知らなかった」というご意見が多かったので、広く周知してもらえて良かったと思っております。また、今でも旧式を使用されているという方も多くいて驚きました。約30年前、それ以上前の物がまだ現役で使えているという国産メーカーの品質に、ある意味で感銘をうけました。その上で、やはり今の仕様に取替えることを推奨していますが。

◇ ◇

読者のみなさんのお宅の水栓レバーはどんな仕様になっているだろうか?今回の地震をうけ災害対策を講じておられる方はぜひトイレ屋へっちゃんさんの投稿を参考にしていただきたい。

なお、今回の話題を提供してくれたトイレ屋へっちゃんさんは水まわり業者によるぼったくり詐欺を防止するため「水道屋さんドットコム」というサイトの運営に関わっている。また個人でも日々SNSやYouTubeチャンネル「トイレTV」で水まわりの役立つ情報、自分で修理する方法などをアップしているので、ぜひこの機会に多くの方にご覧いただきたいと思う。

トイレ屋へっちゃんさん関連情報

Xアカウント:https://twitter.com/suidouya3Toilet

水道屋さんドットコム:https://suidouya3.com

YouTubeチャンネル「トイレTV」:https://youtube.com/channel/UCxB95LclScuFvHm6MsV782g

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