小学生のいくると友達は、自宅前に停めていた自転車から鍵が抜かれていることに気づき、学校も巻き込んだ事件に発展してしまう。犯人探しがスタートする中で、いくるたちは“ちょっと変わり者”として知られる、同級生のタクが犯人ではないかと疑いはじめるが……。いくるたちはタクと交流を深める中で、思いもよらない結末を迎える──「じんわりと泣けてきた」と読者から好評を博すコミックエッセイ『しなのんちのいくる2』の収録作品『タク』。
ノスタルジーがあふれる昭和を舞台に、ヤンチャな小学生いくると中学生のしなのを中心とした“あの頃の子どもたちの日常”を描いたコミックエッセイ『しなのんちのいくる』が話題を集めている。定期的に作品を発表しているinstagramでは17万人を越えるフォロワーを獲得し、23年6月には単行本2巻目となる『しなのんちのいくる2』(KADOKAWA)が発売された。そこで今回は、作者である仲曽良ハミさん(@nakasorahami)に、作品の魅力についてインタビュー。また、単行本に収録されている作品から「じんわり泣ける」と評判の『タク』と『お兄ちゃんの焼き鳥』を特別に紹介する。
不器用なりにジタバタ生きる人物が魅力
──昨年に続き、単行本2巻目となる『しなのんちのいくる』が出版されました。1巻目と比べ、どういった部分がパワーアップしているのでしょうか?
仲曽良ハミ(以下、仲曽良):本自体のページ数を大幅に増やしていただきました。以前と比べ、ショート作品だけでなく、ある程度ページ数のあるストーリー作品も収録することができましたね。かなり読み応えのある本ができました!
──なるほど。では、そうした長編の中で、仲曽良さんにとって思い入れが深い作品について教えてください。
仲曽良:『タク』と『お兄ちゃんの焼き鳥』の話でしょうか。どちらの話も不器用にジタバタしながら、それでもまわりに助けられながら、なるようになっていく様子がうまく描けたかなと思っています。
──『タク』で言うと、どの部分が読みどころでしょうか?
仲曽良:タクのとにかく自由なキャラクターですかね。一見すると問題児のような側面もありますが、この自由で偏見のない彼の視点は、唯一の面白さのような気がします。このタクは、今後の作品でもたくさんの人に影響していきます。
──そうした魅力が詰まった作品の読者からは、どのような声が届いていますか?
仲曽良:やっぱり「懐かしい」という感想が多いですよ。「同じ遊びをしていた」とか「同じ物を持っていた」とか。読者の皆さんも似たような思い出を持っていることが多いんですね。あと、最近は令和の子ども達にも「面白い」と言ってもらえています。親子で読んでいただいているようで嬉しい限りです。
──最後に、今後の目標について教えていただけますか?
仲曽良:まずは、今後も継続してコミックを出していきたいですね。あと、最終的にアニメ化できるようにがんばって描き続けますよ!
子どもらしい素朴さや純真さ。そして、ちょっぴりおバカに見える愛くるしさにあふれる作品たち。懐かしい気持ちに浸ったり、ほっこりしたりしたい時にこそ、ぜひ手にとってほしい作品だ。
<仲曽良ハミさんInformation>
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