前川喜平氏をNHK次期会長に 市民団体が放送センター前で訴える 本人も街宣「政府に忖度しない公共放送を」

杉田 康人 杉田 康人
NHK放送センターの前でマイクを握る前川喜平氏
NHK放送センターの前でマイクを握る前川喜平氏

 NHK出身者などでつくる市民団体「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」が22日、都内のNHK放送センター前で、元文部科学事務次官でコメンテーターなどを務める前川喜平氏(67)を次期NHK会長に推薦する街宣活動を行った。

 同団体は、NHK会長を決めるNHK経営委員会に、申し入れ書と署名を提出する予定だ。この日は前川氏も登壇。「メディアと教育は民主主義の基本だが、崩れかけている。民主主義がつぶれた国は、メディアと教育から崩れている。メディアが危ない。政府に忖度(そんたく)せず、おもねらない自由なNHK。本当の公共放送をつくりたい」と〝NHK改革〟を訴えた。

 2023年1月に任期満了を迎えるNHKの前田晃伸会長(77)は、高齢などを理由に続投しないことをすでに表明している。次期会長は委員12人の経営委員会で、9人以上の議決で任命される。前川氏は「私が選ばれることはほとんどないと思いますが、市民が選ぶという意味ではこれほど有力な候補は他にいない。万が一、会長になったあかつきには、NHKを明るく自由な場所にしたい。NHK会長の仕事は自由を確保し、外からの力をはねつけること」と語気を強めた。

 署名はすでに、約3万筆が集まっているという。前川氏は「『NHK会長になってもらいたい』という期待の声を各所で聞く。NHK職員の中にも、おかしいと思っている人もいる。文科省時代は、面従腹背という言葉を座右の銘にしてきた。上層部は、魂を売った人ばかり。心の中の自由や、魂を売り渡してはいけない。本当の自由の中に、本当の公共性が生まれる」と、放送センターに向かって声を張り上げていた。

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