佐賀県嬉野市の岩屋川内ダムが完成50周年を迎えたことを記念し、壁面に世界的特撮怪獣「ゴジラ」を描くダムアートが22日、完成した。サッカーグラウンドに匹敵する大きさの壁面に、暴れ狂うゴジラが出現。ドイツの清掃機器メーカー最大手「ケルヒャー」の特別チームが高圧洗浄機で壁面の汚れを除去し、汚れがある・ない部分のコントラストにより描かれている。関係者の話では、2~3カ月はコントラストがはっきり見えるという。
同県は、今年70周年を迎えるゴジラを「佐賀県かたち観光大使」に任命。理由はゴジラを右に90度回転さると、佐賀県とほぼ同じ”かたち”になると発見したことから。10月末から新プロジェクト「ゴジラ対(つい)サガ」を展開し、その一環として、ケルヒャーの日本法人「ケルヒャー ジャパン」と共同で「ゴジラ in 佐賀 ダムアートプロジェクト Powered by ケルヒャー」を発足させ、今回のダムアートが制作された。
約4カ月の準備期間を経て、11月4日からアート制作が始動。完成までには「測量」「ポイントマーキング」「縁取り」「洗浄」の工程を経る。測量チームがダム壁面にガイドとなるポイントをマーキングする「ポイントマーキング」では、細かいディテールを表現するために約2400ポイントをマーキング。過去にケルヒャーが手がけてきたダムアートは平均1000~1500ポイントであることから、異例の数であることが分かる。
完成を受けて、特別チームのニック・ヘイデンリーダーは「とても難しかったですが、素晴らしいチームと、その熱意のおかげでプロジェクトを実行できました」とコメント。世界的に有名な映画キャラクターを描いたのは今回が初めてだったという。「この迫力あるダムアートは、当社のノウハウ、技術、経験の象徴であり、多くの方にご覧いただければ大変うれしく思います」と呼びかけた。
自然環境を活用した作品のため、ダムアートを見られる期間は今後の天候次第。関係者の話では、完成直後が最も美しい状態だが、2~3カ月はコントラストがはっきりしている見込みだという。