コロナ禍での行動制限が緩和され、世の中が徐々に活気を取り戻している中、レジャー施設などでは、非接触型など新たな楽しみ方を提供するところが増えている。そんな中“日本のハワイ”こと、福島県いわき市の温泉リゾート施設「スパリゾートハワイアンズ」では、フラガールが考案した、ダンサーと観客と一緒に楽しむ新たなコーナーが、人気となっているという。
この新コーナーは、「シャカ・シャカ・ダンス」と名付けられ、昼のフラガールによる「ポリネシアンショー」のオープニング曲「ハノハノ ハワイ」の中で行われている。フラガールがハワイの楽器「ウリウリ」を奏で、その“シャカシャカ”というリズミカルな音に合わせ、観客がハワイのあいさつ「アロハー」のポーズで、「シャカブラー」と呼ばれる親指と小指を立てるハンドサインを掲げながら踊り、ステージ上のフラガールと一緒に盛り上がるもの。座ったままで参加でき、また開始前にはレッスンタイムがあることから、年配の方から子供まで、気軽に楽しめるという。
フラガールのショーでは、もともと“フラガール体験コーナー”として、観客が舞台に上がりフラガールと一緒に踊り直接ふれ合う人気企画があった。だが、コロナ禍以降は、ステージ上の密を避けるために、取りやめとなっている。代わりに、ショーの中身を濃くするなど対応しているが、歓声を上げることが禁止となり、コール&レスポンスなどダンサーと観客がキャッチボールするような雰囲気は、なかなか難しくなっていた。それを打開しようと、フラガールたちが立ち上がった。
ショーに関してさまざまな研究を重ねた。プロ野球では、北海道日本ハムの「キツネダンス」といったグラウンドのチアガールと観客、さらには選手、スタッフ関係者が一緒に踊り、球場全体が一体となって楽しむ企画が生まれ、全国に広がっている。このような観客と一緒に楽しめるものをイメージし、試行錯誤しながら3年かけてこの新たな「シャカ・シャカ・ダンス」を生み出した。MCの台本なども、すべてにこだわったという。
長い歴史を持つ同リゾートだが、フラガールが立案して生まれた企画は、これが初めてという。今回は、約3年ぶりに全面リニューアルした昼のショー「Kukuna(ククナ)~太陽の光」のスタートに合わせ、10月半ばに公開となった。
サブキャプテンのマーラエ穂里(みのり)さんは「以前は、フラガール体験コーナーや、お客さまが歓声を上げて盛り上がっていただいておりました。同様に盛り上がる企画をやりたいと考えていましたが、以前のような形は難しく、約3年間いろいろ考えて、ようやく形になりました。私たちと一緒に踊ることで、より楽しんでいただければと思います」。このダンスへの思いを語った。
開始から約1カ月が経過したが「ご年配の方からお子さままで、皆さん一生懸命やってくださる」と、上々の人気という。「一緒に踊ってくださり、とてもうれしいですし、気分が盛り上がります。お客さまとの絆が深まっていると感じます」。大きな手応えを感じている。
コロナ禍からの復興へ。〝日本のハワイ〟も大きく動き出している。