パチンコ、スロットをテーマに活動する漫画家とファンの交流イベント「スロパチフェスティバル2022 ~進化~」が29日から31日まで、都内のドン・キホーテ秋葉原店5階イベントスペースで開催される。〝スロットパチンコ(スロパチ)漫画〟の特徴と現状について、同イベントをプロデュースする漫画家・佐佐木あつし氏に話を聞いた。
昨年に続く2回目の開催。30人以上の漫画家が参加し、イラストや私物を特別販売する。ライターや人気パチンコ店とのコラボも実施。新型コロナの陽性者増加を受け、規模を縮小。来場の事前申し込みは既に終了した。佐佐木氏は「安全性を最大限考慮しました」と、人数制限、トークショーやクロッキー大会の中止を残念がった。昨年好評だった漫画家がファンの要望に沿って生色紙を描く企画は継続する。
一般の漫画媒体ではなじみが薄いスロパチ漫画。石山東吉、猿山長七郎、のんた丸考らとともにジャンルをけん引してきた佐佐木氏は「定義付けとしてはパチンコおよびスロットの筐体が必ず出てくるという事でしょうか。そのうえで台の攻略要素や勝つための立ち回り、そこに生まれる人間関係や生活、実際の実践取材を楽しく漫画にしたものなど、果てはSF作品など、広がりは多種多様です」と説明。4号機時代と言われる1992年前後、空前のパチスロブームとともにスロパチ漫画も全盛を極めた。専門漫画誌が月に30冊刊行される時代もあった。
佐佐木氏はプライベートで20年以上、スロット、パチンコを楽しむ。「最初はあまりスロットの筐体に重きを置かずヒューマンドラマを描いていましたが、スロットの『獣王』のあたりから本格的に実践取材漫画を中心に毎月10誌以上連載をしていました」と作風も変化した。「筐体そのものを情報や自分の体験をもとに解析していき、それを実践して実証していく過程が読者との共感を呼ぶ。そこが魅力なのだと思います。見知らぬ旅先で打つ漫画も大変大きな反響をいただきました」と振り返り、「出目の間違いがないように神経を使います。多様な出目から生まれるフラグで間違いがあれば、すぐに読者の指摘を受けます」と心がけてきた。
コロナ禍などの影響でパチスロ業界自体に元気がなく、紙媒体の縮小も続く。「正直なところスロット、パチンコ業界全体の低迷に影響され、漫画も数が減っています」としながらも「一つのジャンルとしていまだに愛され続けており、ファンの熱気は変わりません」と話した。一方で「メーカー様の努力により様々な演出が発明され、ゲーミングが向上しておりそれを打つ楽しみ方は変わりません」という実感もある。
漫画家としては、新しい取り組みに視線を向ける。「今後はメーカー様とのコラボも念頭に電子書籍などでも展開が考えられます。また、パチンコ・パチスロライターさんの動画などは人気を博しており、今後はそう言った人気演者様とのコラボなどが主流になっていくかもしれません」と先を見据えた。
同イベントはイーグルハイ社、エートゥシープロダクション社の主催。開催および当日の入場状況等はツイッター公式アカウント(@slopachfestival)まで。