近未来、人類は火星に移住する!?イーロン・マスク氏が計画 人は短命に?片道切符?課題を解説

深月 ユリア 深月 ユリア
テスラのイーロン・マスクCEO=ベルリン近郊、8月(提供=ロイター/共同通信社)
テスラのイーロン・マスクCEO=ベルリン近郊、8月(提供=ロイター/共同通信社)

 日本では衣料品通販大手ZOZO創業者・前澤友作氏の宇宙旅行が話題になっているが、洋の東西を問わず、実業家として財をなした人物が宇宙を目指すケースはよくある話だ。中でも、TIME誌の2021年版「今年の人」に選出された米テスラ最高経営責任者(CEO)で、個人資産が31億ドル(約35兆円)を超える〝世界一の金持ち〟イーロン・マスク氏は「火星移住計画」という桁外れの構想をぶち上げている。果たして、実現の可能性はあるのだろうか?同計画に詳しい女優でジャーナリストの深月ユリア氏が、よろず~ニュースに対して、その詳細や今後の課題について解説した。

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 【イーロン・マスク氏の火星移住計画】

 2020年9月、メキシコで開催された国際宇宙会議(IAC)で 人類の「火星移住計画」を発表した電気自動車メーカー、テスラのCEOで世界的な大富豪のイーロン・マスク氏。マスク氏は今年度も、クラブハウスの番組「グッドタイム」にて「あと5年半以内に人類が火星を訪れるだろう」と発言して、やる気満々である。

 マスク氏が率いる航空宇宙メーカー、スペースX社とXプライズ財団(競争的資金による技術革新を推進する財団)のプロジェクトとは、火星と地球が最接近する24年までに 再使用可能なロケットや宇宙船を開発し、火星に到達できる有人宇宙船の運用を開始し、26年までには火星までの有人飛行を成功させるというもの。

 そして、 2040年から100年をかけて火星に100万人の人類を送り込み、 火星に100万人が自給自足して暮らせる植民地を作るというものだ。 火星までの航行期間は6か月、出発のチャンスは2年ごとに訪れるという。

 マスク氏が構想する惑星間輸送システム(interplanetary transport system)は、1隻に100人の人員と物資を運搬できる宇宙船を1000隻造り、約1万回に分けて人員と物資を運ぶというものだ。
 スペースX社はその目的に「MAKING LIFE MULTIPLANETARY=生命のある多くの惑星を作り出すこと」を掲げている。環境と生態系の破壊が進む地球には人類の明るい未来はなく、他の惑星に生命圏を広げることが人類の生存の為に必要だという。

 【火星に移住したら人は短命になる?】

 しかし、火星の環境は非常に過酷である。

 火星は南極並みに寒く、放射線が降り注ぎ、砂嵐が吹き荒れている。大気のほとんどは二酸化炭素で酸素はなく、大気圧は地球のおよそ160分の1しかない。

 そして、人間は長期間の無重力環境にいると、老化の進行が早まり、筋肉が萎縮し、骨からはカルシウムが流れ出て骨粗しょうになり、脳圧が上がって眼球を圧迫して眼球の一部も変形して視力も落ちてしまう。

 つまり、火星での生活は極めてリスキーで、移住出来ても短期間で死んでしまう可能性があるのだ。

 【火星への旅は「片道切符」?】

 過酷な火星の環境が嫌になって、地球に帰還しようとしても、火星への旅は帰りの燃料がない「片道切符」になる可能性がある。

 スペースX社は火星の二酸化炭素と「火星の水」で帰りの燃料を合成する計画だ。

 しかし、「火星の水」はあくまでに岩石に含まれる形で残っていると予想されているものであり、実際に火星に飛行しても水が存在しなかったり、技術的に抽出できない可能性もある。

 NASA(米航空宇宙局)もマスク氏自身も火星移住の危険性について「参加者が死ぬ可能性は高い」「火星に人類が住むために、核兵器を使って人間が住めるように火星を開発していく必要がある」という。

 現時点では未だ多くの問題を抱えた火星移住計画だが、夢のある計画だ。激動する世の中で、科学技術の発展もめざましいが、人類が安全に火星に旅できる日は訪れるのだろうか…。

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【深月氏がプロデュースするテレビ神奈川の番組「地球と共生する、アニマルウェルフェア」】
https://youtu.be/5FeHTcDQHnw

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