世界一癒されない猫カフェ!? 自走・長すぎ・頭が2つ 不思議なフェルト猫の世界が話題

ゆきほ ゆきほ

今から3年ほど前、2018年にtwitterでバズった、手足が無く異様に大きな胴体にリアルな顔のついた猫が部屋をウロウロ走る動画。「バルン」と名付けられたその猫の強烈なインパクトが記憶に残っている方は多いのではないだろうか。

今年2月22日、進化を遂げたバルンさんが投稿され、再び大いにバズった。

作者は人工猫ウさん(@sacocho)さん。顔がぐるぐぐる回り続ける猫、1つの体に2つの頭をもつ猫など、奇妙な動き鳴く猫の制作を続けている。「世界一癒されない猫カフェ」と名打たれた展示会も好評だ。今回、制作のきっかけや不思議な世界観の由来についてお話を聞いた。

――他の羊毛フェルト作家の方との典型的な違いは、動く・鳴くなど電子工作の要素がプラスされているところだと思うのですが、羊毛フェルトと電子工作、どちらの活動が先だったんでしょうか?

人工猫ウ:元々絵や造形などに興味があったのですが、大学で理工学部に入り、そこから電子工作を始めました。その後、リアルな猫を動かす手段として羊毛フェルトを始めたので、未だに自分が羊毛フェルト作家なのか不明なところです。

――モチーフとして猫を選ばれたのはどうしてですか?

人工猫ウ:実在するものが、本来ありえない動きをすると奇妙で面白いと考えていて、猫を選んだのは奇妙さと相性が良い生き物であることと、そういった奇妙なものが存在する場所を作りたくて、猫カフェというシステムがばっちりハマったからです。

――作品の展示会のタイトルが「世界一癒されない猫カフェ」という理由もそこからなんですね。2018年にTwitterでルンバを利用した自走式猫バルンさんが話題になり、今年の2月22日に新作のバルンさんが発表され話題になりましたが、作られたきっかけは?

人工猫ウ:はじめは尺取虫のような動きをする猫を作ろうと思っていたのですが、なかなかうまくいかず、一旦動力の部分は既存のものに頼ろうと。家にあったルンバを利用し、制作したのが2018年の試作品バルンさんです。本当はウミウシのように滑らかに動かしたかったのですが…。今年発表したバルンさんは、羊毛猫のクオリティを上げて、首や口角の動きを加えました。

――制作で一番苦労するところはどこですか?

人工猫ウ:9割羊毛フェルトです。テクノロジーはある程度再現性があり、手法などネットで探すことができますが、羊毛フェルトはプロの制作動画を見様見真似で作ってもなかなかクオリティを上げるのが難しいです。

――コメント欄を拝見していると、「怖い」「気持ち悪い」などの声も多いようですが、実際作品をご覧になったお客様の反応はいかがですか?

人工猫ウ:実際に見られると、癒されたと仰るお客様が多いですよ。実物と動画では羊毛の質感など印象が違うのかもしれませんね。

――実際に展示会に足を運んでいただきたいポイントですね。今後のご予定は?

人工猫ウ:10月31日まで、兵庫県夙川のWORLD TIMESさんで開催中「THE男だらけ展」に出展中です。

◇  ◇  ◇

 可愛いだけでなく、化け猫や猫又など、人知を越えた存在であることを感じさせる猫。飼っている人は特に、猫の不思議な魅力やパワーを感じることがあるのではないだろうか。

不気味さ、奇妙さを抽出し作品に昇華した人工猫ウさんの作品が、人間の知らない本当の猫の姿であるのかもしれない。

 世界一癒されないカフェtwitter:https://twitter.com/kisou_catcafe?s=20

人工猫ウYoutubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UC9AT_aDdCv__QqQ4xRHdDig/featured

WORLD TIMES twitter:https://twitter.com/WORLDTIMES8?s=20

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