「お客さんに劇団の演出家の方がいて、舞台に誘われたんです。それまで、映画をたくさん見てきた方でもなかったんですけど、面白そうだと思いました。舞台は難しいけれど楽しかった」
25歳で本格的に役者の道を志した。15年の映画「ローリング」で川瀬陽太の演技に衝撃を受け、川瀬が活躍していたピンク映画の世界に興味を抱いた。自ら志願して「性鬼人間-」への出演を果たした。一般作での出演も続いており、17年には初主演作「タクシー野郎 昇天御免」が話題を呼んだ。CM出演など、活躍の場は広がりつつある。
それでも、ピンク映画への愛は不変だ。
「3日だけだったり、撮影期間が限られ人員も少ない。僕も演じるだけではなく、自分で衣装を持ち込んだり、撮影を手伝ったりします。大変だけど楽しい。チームワークというか、映画を作る一体感が楽しいんです」
照れや影を見せず、胸を張って楽しむことを宣言する姿こそが、折笠の魅力なのではないだろうか。なお、冒頭の「ピンクゾーン3-」では女性の性処理を担うロボット役を演じた。イベントに来場していた国沢実監督は「誤解していた。非凡な俳優だと信じていたが、彼のテーマはいかに現場を楽しむかにあったと知り、がく然となった。彼は享楽の天才、人生の達人であった。今後も現場を共にし、映画作りを楽しむ奥義を会得する決意を固めたのだった」と脱帽。その躍進は、まだまだ続きそうだ。