葬儀は真夏だろうが、真冬だろうが待ったなし。だが夏場の葬儀は、斎場に着くまでに汗だくになることも。レディースフォーマルの東京ソワールが「夏の喪服」の意識を調査。興味深い結果となった。
調査対象は全国の20代〜70代の女性285名。今回の調査では、夏用喪服を持たない人は約4割、他の参列者の服装が気になった人は約6割。さらに4割が「式前に疲弊した」と回答しており、夏の葬儀・法要における最初のハードルは、会場に到着する前の「移動」にあることが分かった。屋外と室内の寒暖差や、着替える場所がないまま喪服で長時間過ごす負担も挙がっており、猛暑という物理的な条件そのものが、参列者の体力を大きく削っている実態がうかがえる。
この身体的な負担は、参列者自身のコンディションだけでなく、周囲からの見え方にも影響を及ぼしているようです。約6割が他の参列者の服装について何らかの点が気になったと回答した中には、「汗で布地が肌に張り付いていた」「肌の露出がフォーマルの場にふさわしくないと感じた」など、暑さに起因すると考えられる声が一定数含まれた。猛暑が「礼節を保つための服装」を難しくしている一因になっている。
さらに、親族中心の法要という日常的な場面でも約6割が服装選びに迷った経験があると回答しており、その理由として「暑さを優先するか、マナーを優先するか迷った」という声も一定数挙がった。
フォーマルな装いを保つべきか、快適さを取るべきかという判断は、多くの参列者にとって共通の悩みになっていると言える。こうした状況を踏まえ、夏の喪服に求める機能を聞いたところ、「快適さ(通気性・涼しさ)」を挙げた人が8割にのぼり、礼節としての見た目を前提としながらも、暑さへの対策を優先したいというニーズが明確になりました。
一方で、実際に夏用喪服を持っている人は54.7%にとどまり、必要性を感じながらも備えが追いついていない人が一定数存在する。
これらの結果から、夏の葬儀・法要においては「礼節を保ちたい」という思いと「暑さを軽減したい」という実感の両立が、多くの参列者にとって共通の課題になっている。
①【猛暑の負担】
移動中に汗だくになり、式が始まる前から疲弊した人は約4割(38.2%)。屋外と室内の寒暖差による体調不良(25.6%)や、着替える場所がなく自宅から喪服のまま移動せざるを得ない暑さ(23.9%)を挙げる声も多く、何らかの負担を実感した人は約9割にのぼった。
• 「移動中(駅から斎場までなど)に汗だくになり、式が始まる前に疲弊した」109人(38.2%)
• 「屋外と室内の温度差で体調を崩しそうになった」73人(25.6%)
• 「着替える場所がなく、自宅から喪服を着て移動しなければならず暑かった」68人(23.9%)
• 「暑さで葬儀・法要に集中できなかった」66人(23.2%)
• 「ジャケットが堅苦しくて、疲れた」49人(17.2%)
• 「服の中が蒸れて、汗や防虫剤などのニオイが気になった」24人(8.4%)
②【服装の見え方への影響】
約6割が他の参列者の服装について何らかの点が気になったと回答。「汗で布地が肌に張り付いていた」「上着を脱いでシャツ・ブラウス姿になり格式が下がって見えた」など、猛暑が要因とみられる声も目立ち、暑さが自分自身の負担だけでなく服装の見え方にも影響している。
• 「サイズが合っていないように感じた」48人(16.8%)
• 「汗で布地が肌に張り付いていた」46人(16.1%)
• 「肌の露出(胸元、腕、生足など)がフォーマルにふさわしくないと感じた」37人(13%)
• 「背中や脇などの汗ジミが目立っていた」35人(12.3%)
• 「黒い装いでも、カジュアルな服装(Tシャツ、ジャージ、タンクトップなど)が、浮いているように感じた」31人(10.9%)
• 「服がシワだらけだった(麻混などカジュアルに見える素材だった)」15人(5.3%)
③【服装選びの迷い】
親族中心の法要でも約6割が服装選びに迷った経験あり、「どこまで正式な服装が必要か迷った」という声が多い一方、「暑さを優先するか、マナーを優先するか迷った」という声も。家族葬の増加や服装ルールのカジュアル化で、判断基準があいまいに、より複雑化している実態が見える。
• 「家族・親族だけなので、どこまで正式な服装が必要か迷った」(59%・105人)
• 「一般的な葬儀と同じ喪服を着るべきか迷った」(47.8%・85人)
• 「暑さ対策を優先するか、マナーを優先するか迷った」(28.1%・50人)
• 「ジャケットを着るべきか迷った」(27.5%・49人)
④【求められる機能】
夏の喪服に求めることは「快適さ」はもちろんだが、「手入れのしやすさ」や「格式」が上位あり、礼節としての見た目を保ちつつも快適性への要望が上位を占めた。
• 「葬儀・法事の場にふさわしい快適さ(通気性・涼しさ)」228人(80%)
• 「汗をかいても自宅の洗濯機で洗える手入れのしやすさ(ウォッシャブル)」196人(68.8%)
• 「葬儀・法要の場にふさわしいきちんとした見た目・黒の深さ(格式)」147人(51.6%)
• 「体型変化に対応できる、または締め付けのない着心地の楽さ」103人(36.1%)
• 「長時間座ってもシワになりにくいこと」86人(30.2%)
⑤【残る"備え"の壁】
実際に夏用喪服(薄手・涼感素材など)を「持っている」人は54.7%にとどまり、真夏の参列でもオールシーズン用を着用が約半数にのぼる。また普段着の黒い服や和装も一定数いる。
• オールシーズン用の喪服(45.3%)
• 夏用の喪服(43.9%)
• 普段着の黒い洋服(4.6%)
• 着物(1.8%)
また夏用喪服の準備について「事前に準備しておくべきだが、まだできていない」人も約4人に1人(23.9%)おり、必要性は感じつつ準備が追いついていない実態が浮き彫りになった。現実のスタンスは
• 「万が一に備えて、事前に準備しておくべきだし、実際に持っている」(52.3%)
• 「事前に準備しておくべきだと思うが、まだ準備できていない」(23.9%)
• 「訃報など必要性が生じたタイミングで急ぎ購入すればよい」(11.6%)
• 「準備するつもりはない」(9.8%)