生成AIが話題になるなか、「勉強に使ってみたいけれど、どう使えばいいのかわからない」「使っていいのか迷う」といった戸惑いの声は少なくない。筆者も手探りで生成AIとの付き合い方を模索してきた。現在、小5の次男が塾なしで中学受験に挑戦するなか、筆者の家では生成AIが日々の学習を通じて身近な存在として定着しつつある。
主な使い方は、解説を読んで調べても分からない問題への質問を投げかける「壁打ち相手」だ。具体的にいうと「この解説、なんか腑に落ちない」「これってどういう意味?」といった疑問を、AIに質問している。まるで塾の先生に「ここ教えてください」と聞くような感覚だ。親がうまく説明できないときにも、代わりに言語化してもらえるのがありがたい。
先日は、植物の分類がなかなか覚えられなかったため、「合弁花と離弁花はどう進化してきたのか」「どちらが先に誕生したのか」といった背景を知れば記憶に残りやすいのではと思い、生成AIに「小学生でもわかるように教えて」と頼んでみた。
すると、合弁花と離弁花の違いや、それぞれに分類される植物を表で整理してくれたことで、「なるほど、そういうことか」と次男と筆者の2人は納得することができた。質問内容によっては、図やたとえ話を交えて説明してくれることもあり、次男の理解を助けてくれていると感じる。
とはいえ、生成AIは決して万能というわけではない。間違った情報を返してくることもあるし、質問の仕方によってはかえって混乱を招くこともある。そのため、複数の生成AIを使って回答を比べたり、「参考情報のひとつ」として扱うように意識している。正解を教えてもらうというよりは、自分の思考を深めるために活用しているのが現実だ。
生成AIは、もちろんプロの講師ではない。けれど、相談できる相手が限られる塾なし受験では、この存在が精神的な支えになる場面も多い。「とりあえずAIに聞いてみるか」が気軽にできることで、わからないまま放置される問題が減るのは確かだと感じる。
今後は、勉強そのものだけでなく、スケジュール作成や志望校選びなど、学習以外のサポート面でも使ってみたいと考えている。得意・不得意の傾向を整理したり、模試結果から今後の作戦を考えるときにも活用の余地はありそうだ。
<プロフィール>
野田 茜
2男1女のママライター。2022年、高1長男が完全塾なしで中学受験をし、偏差値(四谷大塚)60半ばの中高一貫校へ進学。現在、小5次男が通信教材を利用し自宅学習で中学受験に挑戦中。自身は中学受験未経験で大学まで公立育ち。中学受験の問題の難易度にまったく歯が立たず、逆に子供に教えられる。「ママ、教えてあげよっか?分かる?」と次男に心配される日々。