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解約ページが見つからない!「入会は簡単、解約は迷路」サブスクの解約妨害規制へ【消費者法の専門家が解説】

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ある日、会社員のAさんは見たいドラマを観るために月額制の動画配信サービスに登録した。申し込みはスマートフォンから数分で完了。最初のうちはいろんな映画やドラマなどを観るのに活用していた動画配信サービスだが、数カ月後にはほとんど利用しなくなり、解約することに。

しかしマイページを探しても、解約ページがなかなか見つからない。ようやく解約手続きページを見つけたが、解約の確認画面が何度も続き、解約を終えるまでに何画面も進む必要があった。これに対してAさんは「登録はあんなに簡単だったのに、なぜ解約だけこんなに分かりにくいのか」と怒り心頭だ。こうしたサブスクの「解約しにくさ」は大きな問題となっており、消費者庁でも不当な「解約妨害」を規制する方向で議論が進んでいる。

では、解約ページを見つけにくくしたり、手続きを複雑にしたりする行為は、違法行為といえるのだろうか。消費者庁の検討会で委員を務めるカライスコス アントニオスさんに聞いた。

不当な「解約妨害」を禁止する方向へ

―解約ページを見つけにくくしたり、手続きを複雑にしたりする行為は、違法行為といえるのでしょうか?

解約ページが分かりにくいだけで、直ちに違法になるとは限りません。

2026年9月10日、消費者契約法の見直しを議論する消費者庁の検討会が、中間取りまとめを公表しました。この中では、解約申入れの拒否・不当な遅延などに加え「健全な商慣習に照らし不当に消費者の解約を妨げる行為・環境設計」も禁止対象に含める方向が示されています。

一方、契約締結時の手続きに比べ、解約に過度な手間がかかる問題については、事業者に合理的な離脱方法の提供を求める努力義務として検討されています。

―割引プランなどを提案して引き止めるのは、どこから「解約妨害」になるのでしょうか。

正確な情報を示し、継続か解約かを自由に選べるのであれば、直ちに問題になるとは限りません。

中間取りまとめでは、不実告知や不確実な将来についての断定的判断の提供などを、解約を妨げる行為として禁止する方向が示されています。どこまでが通常の案内で、どこから不当な妨害になるかは、具体的な表示や手続き全体を見て判断する必要があります。

―現在の法律では、こうした「解約妨害」には十分に対応できないのでしょうか。

通信販売に当たるサブスクでは、現行の特定商取引法でも、解除を妨げるための解除条件等についての不実告知などが禁止されています。

ただ、消費者契約法には契約後の解約妨害を広く対象とする規定がないため、新たな禁止規定が検討されています。中間取りまとめでは、違反しただけで自動的に解約となるなどの直接的な民事効果は設けず、適格消費者団体による差止請求の対象とする方向です。

―解約しにくいと感じた場合、どのような記録を残しておくとよいでしょうか。

解約までの画面や条件、完了画面をスクリーンショットで残すとよいでしょう。

電話なら日時や発信履歴、担当者名、やり取りの内容も記録し、メールやチャットも保存しておくと、後から経緯を確認しやすくなります。

◆カライスコス アントニオス 龍谷大学法学部教授/一般社団法人ダークパターン対策協会理事
専門は民法、消費者法。アテネ大学大学院修士課程を修了後、早稲田大学大学院で博士(法学)を取得。消費者庁「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会」および同ワーキンググループの委員を務める。EUをはじめとする海外の消費者法や、デジタル社会における消費者保護、ダークパターンの法規制などを研究している。著書に『消費者法入門―消費者と企業の視点から』(有斐閣、共著)『不公正な取引方法と私法理論―EU法との比較法的考察』(法律文化社)などがある。

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