主婦のAさんは小学6年生の子どもから、突然「中学受験をしたい」と言われた。急いで集団塾に相談したところ、すすめられたのは個別指導だった。
集団塾なら小学5・6年の2年間で約100万円。一方、個別指導は週5回で月10万円ほどかかり、夏期講習や冬期講習などを含めると100万円以上になるという。
もちろん、志望校に合格できるのであれば、それだけの費用をかける意味もある。しかし、6年生からほぼ準備なしで受験勉強を始めても、短期間でどこまで実力がつくのか分からない。費用も大きく異なるため、Aさんはどちらを選べばよいのか迷っている。
小学6年生から中学受験を目指す場合、集団塾と個別指導はどのように選べばよいのだろうか。また、何から始めればよいのだろうか。中学受験に詳しい塾講師の田中歌耶子さんに話を聞いた。
小6からなら、志望校に合わせた塾選びが大切
ー小学6年生から、ほぼ準備なしで中学受験を始める場合、まず何から始めるべきでしょうか?
まずは、志望校探しですね。通える範囲に本人の学力で受験できる学校があるのかを調べてみてください。
また、6年生からのスタートでは、4科目受験はかなり厳しくなります。国語・算数の2科目や、英語を含む3科目で受験できる学校を探すのも1つの方法です。英語を習っている子であれば、その経験を生かせる場合もありますし、探究活動やプレゼンテーションなど、学力試験以外の入試をおこなっている学校もあります。
それと並行して、受験に向けた塾探しを進めるとよいと思います。
ー集団塾と個別指導では、それぞれどのような選択肢が考えられますか?
中学受験のカリキュラムは、5年生で本格的に始まり、6年生の夏ごろまでに単元学習が終わるのが一般的です。6年生の夏ごろには一通りの学習を終えるため、集団塾を希望しても、受け入れてもらえないケースもあります。
6年生から受験を始める場合は、個別指導や家庭教師など、その子の学力や志望校に合わせて学習できる方法を検討するのがおすすめです。すでに通信教育などで中学受験の勉強をしている場合は、集団塾という選択肢も考えられます。
ー高額な個別指導は、どのような場合に必要になるのでしょうか?
志望校の難易度が高くなるほど、専門性の高い先生による指導が必要になります。このような講師は当然費用も高くなります。目安として偏差値45以上の学校を目指すのであれば、ある程度費用をかけて中学受験に詳しい講師をつけるのがおすすめです。
一方、かなり入りやすい学校であれば最低限の対策で間に合う可能性もあるため、中学受験の指導経験がある学生講師を選ぶなど、費用を抑えた方法も考えられます。
ー費用だけで塾を選ばないために、保護者が確認しておきたいポイントはありますか?
まずは、中学受験の指導経験がある講師がいるかを確認してください。自分の子どもが受験する学校の合格実績があるかもポイントです。
中学校によって入試問題の傾向は大きく異なります。そのため、志望校の問題を踏まえて「この学校なら、こういう対策が必要」と具体的に指導できる先生がいるかを確認するとよいと思います。
◆田中歌耶子(たなか・かやこ) 塾講師ライター
25年の指導歴を持つ現役塾講師ライター。現在は某中受専門塾で講師を務めている。中学受験国語を専門とし、日々「学力の土台となる『読む』力」の指導に力を入れている。