国民民主党の榛葉賀津也幹事長(57)が21日、国会内での定例会見で「(3党)協議が難航しているのは日本維新の会のせいではありません。協議が難航しているのは、自民党のせい」と述べ、いわゆる「年収103万円の壁」引き上げをめぐる与党との3党協議が停滞していることについて、日本維新の会をやり玉に挙げた意図はないとした。
榛葉氏は「私は別に、維新さんとケンカしているわけでも何でもないですし『協議が難航しているのが維新さんのせい』だと榛葉が言ったと。そんなことはひと言も言ってませんよ」と語気を強めた。「一般紙含めて、各社がいろいろ煽った記事を書いてますけど」「明らかに報道力がないのか、取材力が足りないのか、文章力が足りないのかわかりませんが…」と、一連の報道にも苦言を呈した。
“維新のせい”発言について「維新さんは維新さんでやりたい政策があるのはよくわかりますし、我々もそれを邪魔するつもりは毛頭ありません」と前置きした。続けて、年収103万円の壁引き上げやガソリン減税を挙げ「国民が欲しがっているこの政策実現を(与党に)助け船を出して安易に予算成立すれば、国民が望んでいる減税が実現できなくなる。その際には、減税をやらずして予算を通した政党にも責任が生じるんじゃないですかと申し上げた」と真意を説明した。
榛葉氏は、19日の国会内での会見で「もしこんな中途半端な案で維新さんが自民党と握るようなことがあれば、手取りを増やして税金を国民の元に返していく、103万円の壁を178万円に近づけて上げていく。そしてガソリン減税をする。これを骨抜きにして邪魔をしたのは、維新さんもその責任があるということになりますよ」と述べていた。
維新の前原誠司共同代表(62)は20日、国会内での定例会見で「私、昭和の人間ですので、記者会見とかXでの発信ではなくて、面談を申し入れていただければ喜んでお会いいたします。共闘が確認できるんじゃないかと思います」などと国民民主党に呼びかけた。
榛葉氏は、維新との会談の可能性について「いま会わなくても、いま自民党、公明党との交渉やってますから。いま予算の交渉が佳境に来てますから、この場面で維新さんと何か、ということは多分ないと思います」と否定した。
“維新のせい”発言後、維新の国会議員などからの反発が相次いだことに「ナメクジに塩をかけるようなツイートもありますけど、それもごほうびだと思って喜んで受けたいと思います」と、独特の言い回しで振り返った榛葉氏。「ガソリン減税をする、103万円の壁を引き上げて、手取りを増やす。そのために悪役はなんでも買ってやりますよ。国民民主党の番犬ですから」と宣言した。