第二の地球も登場!「空想地図学会」で示された地図の想像&創造エネルギー

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
主催した「空想と地図の企画室」の(左から)加藤太一代表(Rano)、今和泉隆行副代表(地図人)=都内
主催した「空想と地図の企画室」の(左から)加藤太一代表(Rano)、今和泉隆行副代表(地図人)=都内

 実在しない空想、架空、想像の地図を中心とした制作者が集まり、成果や取り組みを発表する「空想地図学会」が30日、都内で開催され、地図にとどまらない想像のエネルギーが披露された。

 「中村市(ながむるし)」を手がける著名な空想地図作家で、地理人の名で活動する今和泉隆行さんが副代表を務め、Ranoの名で「多奈崎市」を展開する加藤太一さんが代表を務める「空想と地図の企画室」が主催。2019年にスタートし、20年からコロナ禍の中断を経て22年に再開、今年で4回目となった。

 基本的にはモニターに画像を映しながら、自身の空想地図を発表する催しだが、空想の世界各国、空想の言語、空想の失敗した都市開発史、空想内閣、空想ニュース、他の空想作家とコラボした新都市の地形図、空想日本酒銘柄、空想の惑星、空想地図から生成AIで作成された観光写真など、多彩なテーマが登場。20年以上をかけて手描きで空想地図を8万枚超作成し、来年中に完成すると発表する参加者もいた。2000年以降の空想地図のなりゆき、日常生活圏域に所在する各施設や建物のデータなど、空想地図の周辺テーマも挙がった。

 4回目の催しで初めて空想都市の立体模型が登場。また、初参加という地質学の学識者は画像生成AIを用いて、地質学に基づく地形生成に挑み「典型的な地形の研究、似ているが違う、第二の地球を作る」と壮大なテーマを掲げ、多くの参加者から高い関心を集めた。他の空想地図と地名が同じにならないよう、分厚い辞典を手に苦労を語る参加者が、別の参加者から「空想言語を作れば大丈夫」とアドバイスを受けると、会場は笑いに包まれた。

 最も参加者の熱量が高まったのは、デジタル地図のレイヤーに関する発表だった。「鉄道路線図」「道路」「文字」「アーケード」など多くの項目に分類され、用途によりモニター画面が切り替わる度に声が上がった。大小道路と鉄道路線の重なりを美しく処理する工夫が発表された際には「おお~」と感嘆の声が上がっていた。

 40人超が参加し、19人が発表を行った今年の空想地図学会。主催者の加藤代表は「これまでで最も参加者が多かった。発表の方向性もさまざまで、皆が楽しそうで良かったです。空想地図界隈でそれぞれのつながりが生まれればうれしい」と話していた。

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