SNSに投稿された「大阪メトロ輸送密度マップ」が話題だ。2022年の輸送密度(人キロ/日)のデータから制作された大阪メトロの路線図は、輸送密度が高いほど路線が太く描かれている。真ん中には勿論、太く赤い大動脈のような御堂筋線が。
制作したのは、宅地建物取引士であり商業施設や地理の話題を投稿するpom@department_storeさん。詳しく話を聞いた。
――大阪メトロ輸送密度マップ制作のきっかけは。
Pom:以前、大正時代の大阪市電の輸送密度を調べたことがあります。当時は堺筋と四つ橋筋が大阪の大動脈となっていました。
100年前と今とで比較してみたいなと思ったのが、直接的なきっかけです。さらに御堂筋線が大動脈であることは分かっていましたが、他路線と比較してどの程度差があるのかにも興味がありました。
――視覚化して分かったことは?
Pom:やはり御堂筋線は圧倒的に強い大動脈であり、都市軸の中心だなと思いました。東京から引っ越して来た者の感想になりますが、東京で言うところの山手線は、大阪では御堂筋線だなと。
――意外に感じたことは?
Pom:大阪の都市軸は南北軸が強く、思っていた以上に東西軸は弱いなと感じました。上位3路線は南北路線(御堂筋線・堺筋線・谷町線)が占めており、東西軸の中央線は4位です。ここまで差が出るのは少し意外でした。
――驚いたこと、印象的だったことは?
Pom:路線距離が短いことも要因としてあるのですが、堺筋線の輸送密度が思っていた以上に高く、驚きました。堺筋は、約100年前は大阪のメインストリートでしたが、御堂筋開通後にその地位を御堂筋に譲っています。しかし、約100年の時を経て今なお大阪の主要路線として存在感を示し続けていることに感動です。
――万博に向けてどんな変化があると予想しますか?
Pom:大阪は御堂筋の南北軸を基軸とした線型の都市形成がなされていますが、大阪がより大きく発展していくためには、面型の都市に脱皮していかねばならないと思います。 万博開催、中央線延伸等に伴い、東西軸の都市開発が進み、御堂筋線だけでない、より広がりのある面型の都市形成がなされると良いなと思っています。
巷では万博が失敗すると批判的な意見も聞かれますが、私はむしろ成功し過ぎて、地下鉄を含めた都市インフラがパンクするのではないかと懸念しています。行政にはこの辺りの受け入れ態勢をより万全にしてもらいたいと思いますね。
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SNSでは「体感合ってる」「堺筋線は短いけど他の鉄道会社への乗り換えが便利」「千日前線を野田阪神から中津を経由して太子橋今市まで延長してもいいかも?」などの反響が集まった。万博にむけてどのように変わるのか、チェックしていきたい。
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