アマ芸人日本一が決定!社会人コンビに栄冠「人生が動きそうなワクワクがあります」昨年優勝者はR-1決勝で注目

山本 鋼平 山本 鋼平
「全日本アマチュア芸人No.1決定戦 2024」で優勝した下町モルモット(ぽこやかざん=左、れいギャラクシー)=都内
「全日本アマチュア芸人No.1決定戦 2024」で優勝した下町モルモット(ぽこやかざん=左、れいギャラクシー)=都内

 「全日本アマチュア芸人No.1決定戦 2024」の決勝が17日、東京・セシオン杉並で開催され、社会人コンビの下町モルモットが悲願の初優勝を果たした。

 ブロック戦を勝ち上がった3組による最終決戦。審査員5人のジャッジ、勝敗を分ける5番目に「下町モルモット」が表示され、歓喜の時を迎えた。ツッコミのれいギャラクシー(32)は右手を突き上げて絶叫、ネタ作り担当でボケのぽこやかざん(31)は表情を崩さず静かに優勝の味をかみしめた。れいギャラクシーは「学生時代から大会で勝ったことがなかった。やっと勝てました」と声を弾ませ、ぽこやかざんは「いいところまで行くけれど負ける…やっと取れた。良かった」としみじみ感慨を口にした。

 知的な言語ゲームを仕掛けるれいギャラクシーを、ぽこやかざんがルールの隙を突いてほんろうする構成で2本のネタをそろえた。壇上の関係者から「ずっとかませ犬だった」と評されたように、各アマチュア大会で決勝には残るものの栄冠には届かなかったが、厚い壁をついに打ち破った。

 上智大お笑いサークルSCSでコンビを結成。現在は異なる業種でれいギャラクシーが営業、ぽこやかざんがエンジニアとして働くサラリーマン。れいギャラクシーから「彼が苦しんだことも知っているので、やっと勝ち切れて良かった」とたたえられ、ぽこやかざんは「ネタを一切書かない時期もあったけれど、仕事が落ち着いて、日課のようにネタを書くようになった。通話でネタ合わせをできるようになったりして、いろいろなスピードが上がりました」と振り返った。ポッドキャストでのラジオ配信、週末のライブ出演に備える平日のリモートネタ合わせ、ぽこやかざんは大喜利に挑戦するなど、地道な努力が結実。優勝という名誉のみをつかみとった。

 昨年優勝のどくさいスイッチ企画は、その8カ月後にピン芸人日本一を決めるR-1グランプリで史上初のアマチュアとして決勝に進出。決勝でも9人中4位タイと存在感を示した。同準優勝の学生コンビ・ナユタは、M-1グランプリでアマチュア唯一の準々決勝進出を果たした。両組の経歴として各メディアに挙げられた今大会の注目度は高まり、参加は361組から706組と大幅に増加。観客も昨年の250人から300人に増えた。

 大会を主催する社会人お笑い協会の奥山慶久代表は「彼らのおかげで、単なるアマチュアの大会ではなく、プロを目指す登竜門のようなポジションになった」と4回目を迎えた大会の成長を実感した。趣味としてのお笑いを広げること、プロへの突破口を作ること、2つの理念を掲げる。下町モルモットには「お笑いは趣味だけども本気で勝ちたい、と取り組んできた彼らの優勝は美しい瞬間だった」と賛辞を送った。近年のアマチュア芸人の状況は「全体的なレベルが上がりました。社会人は誰が出ても一定以上はウケるようになり、学生は3人組、4人組が珍しくないように自由な発想が目立っています」と所感を述べた。

 仕事と両立しての栄冠。ぽこやかざんは「お笑いは負けたら悔しくて1カ月引きずっちゃう趣味。そこは割り切っています」と語れば、れいギャラクシーは「仕事の時間の方が多いんですけど、心の中の割合は1対1のつもり。できるだけライブに出て、ゆくゆくは単独ライブを開きたい。相方の面白さを伝えたいですね」と先を見据えた。

 既に1回戦を突破したM-1グランプリの2回戦が控える。ぽこやかざんは「この大会のキャッチコピー『人生明転。』の通り、人生が動きそうなワクワクがあります。勝ったという自信は大きい。間違いなくこれからの舞台は変わりますね」と目を輝かせた。コンビ初となるM-1の3回戦進出に向け、気持ちを高ぶらせた。

◆結果【Aブロック※数字は審査員の投票数】カンフーマリオネット(大学生、コント)1、鯖のTシャツ(大学生、漫才)0、2番目のアポロ(大学生、コント)1、下町モルモット(社会人、漫才)3→下町モルモットが最終決戦へ 【Bブロック】ベロニカは死ぬことにした(大学生、コント)0、メメント海(社会人、コント・漫才)2、マシュマロ猫背(大学生、コント)1、ミックストマトジュース(大学生、コント)2→マシュマロ猫背への投票審査員の次点だったメメント海が最終決戦に 【Cブロック】ミヤゼユリハマ(大学生・社会人、コント)1、天下茶屋(大学生・社会人、漫才)0、風姿花伝(大学生、コント)1、乙女ブレンド(大学生、漫才)3→乙女ブレンドが最終決戦に 【最終決戦】下町モルモット3、メメント海1、乙女ブレンド1 【審査員】児島気奈、新道竜巳、どくさいスイッチ企画、赤嶺総理、和賀勇介【司会】東京ホテイソン

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