元埼玉県警捜査一課刑事でコメンテイターの佐々木成三氏が17日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。交差点で女性が危険な自転車走行をしていたとして撮影された動画がSNSに投稿され、この女性の個人情報までが拡散されている状況に対して「私刑として処罰されることは決して認めるべき行為ではない」と警鐘を鳴らした。
SNSで拡散されたのは、自転車に子どもを乗せて走っていた女性が赤信号の交差点を右折して“逆走”したと疑われるような動画。この女性は車を指差して何ごとかを叫び、スマートホンで撮影しているような行動も映されていたという。Xでは16日までに「ママチャリの人」というワードがトレンドになるほど注目度の高い事案となった。
一方で、女性や子どもの顔が処理されずに映り、さらには名前や住所、家族構成など、真偽不明な個人情報が匿名のユーザーによって投稿、拡散されるなどの「特定」行為が行われ、問題視されている。
佐々木氏は16日付のX投稿で「いま、ママチャリの人がトレンドになっているが、顔写真の拡散は肖像権の侵害に該当します。」と指摘した上で、「確かに逆走などの違反は認めれるかもしれないが、自転車と車がお互いが行く手を阻まれ、お互いが動かないだけでは犯罪にはならない。間違いなく言えるのは、あおり運転と同様の行動と論じているのはおかしいです。」と見解をつづった。
さらに、佐々木氏は17日付のXで「あおり運転か否かの判断は警察の捜査で明らかにして、違反行為として認められれば処罰されるべきであり、それを一つの動画のみで、多くの方があおり運転ありきとSNSで論じるのはおかしいという意味です。」と自身の見解を説明。その上で、同氏は「まだその判断がされていない状況下において、その情報が一人歩きして、更に過熱して顔写真や個人情報が晒され、私刑として処罰されることは決して認めるべき行為ではないと感じています」と改めて訴えた。