常識を覆した「長財布」が爆誕!紙幣とほぼ同じ大きさなのに「なんで、お札が入るの?」大阪の革小物メーカー

チコ山本 チコ山本

 大阪にある革小物の老舗メーカー「株式会社ナダヤ」(大阪府東大阪市)が常識を覆した長財布を3月12日の「サイフの日」に発売し、反響を呼んでいる。紙幣とほぼ同じ大きさにまで超小型化しながら長財布の良さをキープしている優れもの。間もなく新生活がスタートし、7月3日には新札も発行される。灘瑛一郎代表(36)はこれを機に「新しいお財布でお迎えください」と話している。

老舗の技術と工夫が不可能を可能に

 「これでお札が入るの?」

 今回、発売された超コンパクトな長財布を見ると思わず、首をかしげたくなる。しかし、そこには不可能を可能にする老舗メーカーならではの技術と工夫が詰め込まれていた。

 そもそも、この常識を覆した長財布のプロジェクトが立ち上げられたのは昨年の秋。年が改まった3月12日が「サイフの日」であることから「いままでと違うサイフ。何か驚くようなものをつくろう」と新商品の開発に乗り出した。

 背景にあったのはミニマム化している昨今のトレンド。灘代表によるとキャッシュレス化の影響などで、カードサイズの3つ折り型や薄型、小型長財布が好まれるようになっていたという。しかし、その反面、コンパクトになることで様々な弊害もあった。3つ折り財布では札が曲がるのがネック。小型長財布もファスナーが引っかかったり、容量やゆとりが少なく、不自由さがあった。「お札にしわがいく、カードが入り切らないなど、サイズと利便性がトレードオフでした」と灘さんは話す。

 そこで創業60年以上続くナダヤでは、これまで培ってきた叡知や経験を結集。デザイナー、職人さんらスタッフ全員でアイデアを出し合い、紙幣とほぼ同じの長財布を完成させた。

 「長財布の収納力や使い勝手などの機能性の良さは従来のまま、サイズのみを小型化できた。会社全体の力で作れたのが何より嬉しいです」

 一般的な長財布の大きさは、縦10センチ×横20センチ。一方、現在使用されている札の大きさは縦7・6センチは共通で、横幅は一番大きな1万円札が16センチ、5千円札が15・6センチ、2千円札が15・4センチ、千円札が15センチとなっており、多少の余裕があった。

 しかし、今回の新商品は縦8センチ×横17・5センチまで小型化している。内寸にいたっては7.5センチだそうだが、灘代表は「マチ部分を画期的な構造にすることによって、縦の部分にあたる高さを極限まで低くしているのが一番の特徴。これによって、小さいのに使い勝手の良さを保てている」と力を込めた。

 新商品の長財布は4種類あり、イタリアンレザー使用が2種類。さらにナダヤの真骨頂ともいえるバスケットボールと野球硬式球の革を使ったものもある。またカードは18枚まで入り、小銭入れもついている。

 そうそう、ご存じのように今年7月3日には新札が発行される。 紙幣のデザインが変わるのは2004年以来、20年ぶり。サイズは現在のものと全く同じで1万円札は表面が「渋沢栄一」で裏面が「東京駅(丸の内駅舎)、5千円札は「津田梅子」「藤の花」、千円札が「北里柴三郎」「富嶽三十六景・神奈川沖浪裏」で2千円札のデザインはそのままだ。

 なお、3月15日は「一粒万倍日」「天赦日」「寅の日」が重なる年に4回しかないトリプルラッキーデーとのこと。何かを新調したり、買い替えするのに適しているといわれており、これを機に気分を一新し、財布を新しくするのもいいかもしれない。

ナダヤオンラインショップのリンク

https://www.nadaya.shop/

プロジェクトページのリンク

https://www.makuake.com/project/nadaya_06/

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