ハラスメント、みんな気にしすぎ? 社会で生きにくさを最も感じたのは働き盛り世代 「境界線」認識など調査

よろず~ニュース調査班 よろず~ニュース調査班
○○ハラ、気にしすぎ?(kai/stock.adobe.com)
○○ハラ、気にしすぎ?(kai/stock.adobe.com)

 ”〇〇ハラスメント”。ある個人が違和感や不快感を覚える度に、「〇〇ハラ」と名称がつくなど、時代の変化とともにハラスメントの種類が増加し、それにより職場での発言にハードルを感じる風潮が加速している。そこで「Job総研」では587人の社会人男女を対象に、ハラスメントの境界線の認識と意識、そして「〇〇ハラ」が増加する時代への向き合い方と価値観を調査した。

 初めに、「ハラスメントの境界線を理解しているか」という調査を行うと、約半数の47・8%が「認識しているつもりだが正しいかは曖昧」と不安な気持ちを吐露。その境界線への意識についても、半数以上の57・6%が高くなっていると回答し、「コミュニケーションの際に、ハラスメントに敏感になっているか」という質問には81・3%がなっていると回答。特に40代が64%と顕著だが、どの世代も意識して「ハラスメント」に向き合っていることが分かった。

 続いて、どのような発言に気をつけているかという統計を取ると、「外見や体型に関する内容」が61・0%で最多。次いで「家族や個人的な問題に関する内容」や、「性別に関する内容」など、比較的生まれついてもつものに触れないよう気をつけているようだ。

 最後に「〇〇ハラ」がまん延する現代での生き方について、「時代に合わせる必要がある」と83・1%が回答もその反面、69・1%が生きにくいと息苦しさを回答した。個別には「『〇〇ハラ』は話題になりやすいので、無理やりのこじ付けも起きやすい。発言が制限されて疲れる」、「次から次へと知らないハラスメントが生まれてくるので、無意識に加害者になっていそうで怖い」という声があがった。

 SNSを中心に注目された「マルハラ」や「カスハラ」などの新しいハラスメントが登場し、目が厳しくなる昨今。全体の8割が「〇〇ハラ」が増加する時代に「合わせる」と回答しているものの、全体の7割が「〇〇ハラ」が増加する時代は「生きにくい」と回答し、社会人のハラスメントに対する考えには本音と建前が存在すると見受けられる。

 調査の結果、昨今は多様性が尊重される一方で、個人が簡単に「ハラスメント」を作り出すだけでなく、それを容易に権威として振りかざすこともできる社会情勢であることが分かり、40代をはじめとした上司世代の意識がより敏感になっていることがわかる。法律で禁止されるハラスメントが今後増える可能性も考えられるため、生きにくさが職場コミュニケーションや成果に影響を及ぼす場合は、職場内だけでなく、個人単位で発言を見直す機会の必要性が見られた。現時点で法律により禁止されているのは「パワハラ」「セクハラ」「マタハラ」の3つのみ。だが今後もハラスメントの種類にかかわらず、職場での発言には気を配る必要はあるだろう。

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