日本テレビが29日、昨年10月から同12月まで放送された連続ドラマ「セクシー田中さん」の原作者、漫画家の芦原妃名子さんの訃報を受け、故人を悼んだ。
同ドラマの公式サイトで「芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます」と伝え、「2023年10月期の日曜ドラマ『セクシー田中さん』につきまして日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております」と記した。
芦原さんは今月26日、自身のX(旧ツイッター)で、脚本をめぐって局側と折り合いがつかず、自らが9、10話の脚本を書くことになったことに対して、出版元でもある小学館と相談した上で状況を公表したとし、ブログでも同様に経緯をつづっていた。
芦原氏は
・ドラマ化するなら「必ず漫画に忠実に」。漫画に忠実でない場合はしっかりと加筆修正をさせていただく。
・漫画が完結していない以上、ドラマなりの結末を設定しなければならないドラマオリジナルの終盤も、まだまだ未完の漫画のこれからに影響を及ぼさない様「原作者があらすじからセリフまで」用意する。原作者が用意したものは原則変更しないでいただきたいので、ドラマオリジナル部分については、原作者が用意したものを、そのまま脚本化していただける方を想定していただく必要や、場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある。
上記の条件でドラマ化をOKしていたと明かした。
しかし「毎回、漫画を大きく改編したプロットや脚本が提出され」たとして修正案を出すなど対応に追われたという。ドラマ終盤についても同様だったため、最終的に9、10話は芦原氏が自ら脚本を手がける形となったと説明した。
ドラマの脚本を手がけた相沢友子氏は23年12月24日のインスタグラムで「最後は脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、残念ながら急きょ協力という形で携わることとなりました」と説明。ドラマの現場と芦原氏の間に乖離があったことを示唆していた。
芦原氏の告白をきっかけに、ネット上では相沢氏や番組プロデューサーなどへの批判もわき起こっていた。騒動が過激化しつつあるタイミングで、芦原氏は28日夕方にはコメントを削除し、ブログも閉鎖した形となっていた。最後のポストでは「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」と記していた。芦原氏は自殺したと報じられた。
★「日本いのちの電話」相談窓口★ 厚生労働省は悩みを抱えている人に対して相談窓口の利用を呼びかけている。
◆ナビダイヤル0570・783・556(午前10・00~午後10・00)◆フリーダイヤル0120・783・556(毎日:午後4・00~9・00、毎月10日:午前8・00~翌日午前8・00)