スターダムの「イッテンヨン・スターダムゲート 2024」が4日、東京ドームシティホールで行われた。IWGP女子選手権試合は第3代王者・岩谷麻優が19分6秒、雪崩式リバース・フランケンシュタイナーからのエビ固めで挑戦者・朱里から3カウントを奪い、3度目の防衛に成功した。
あごの辺りから流血しながら勝ち名乗りを受けた。傍らの朱里は号泣していた。〝スターダムのアイコン〟岩谷が、互いにエルボー、キック、ヒザ蹴りなど過剰な打撃を打ち合う死闘を制した。肩車に担ぎ上げ縦回転で後頭部から打ち付ける必殺技・朱世界、続けて後頭部からポストに投げ捨てられたが、不死身の如く立ち上がった。ラリアートをドラゴンスープレックスで切り返し、続けて顔面にハイキック、さらにポストからの雪崩式リバース・フランケンシュタイナー「フブキ・ラナ」で決着を付けた。
岩谷は昼興行ながら「TDCホールの皆さん、こんばんわー」と持ち味を発揮してマイクを切り出した。シングル通算2勝2敗となった朱里に感謝の言葉を述べ、「あやうく負けるところだったね。マジであぶなかった。疲れた。もうちょっとねぎらって下さいよ」と訴え、会場の拍手を全身に浴びた。「2024年もスターダム選手が一丸となって盛り上げていきます。応援よろしくお願いします」と呼びかけた。
バックステージで岩谷は「キツすぎる。防衛する度に頭がおかしくなる。記憶が飛ぶ。そして自分の元にこのベルトが戻って来ている。まだまだ岩谷麻優のIWGPの歴史は始まったばかり。このベルトは重い」と言及。昨年4月に戴冠しながらようやく3度目の防衛のペースには「なかなか防衛戦が組まれないから、歴史がなかなか作れない。もどかしい。もっと歴史に名を刻めるレスラーになりたい。(敗者が)ベルトを取れなくて悔しい気持ちも抱えて、歴史を作っていく。どんな相手でも、どんなにボロボロにされても勝ち続ける」と誓った。
一方の朱里は「悔しい。私は2022年に女子プロレス大賞を取って、〝女猪木〟宣言をしました。猪木さんが巻いたIWGPの名前が付くベルトを巻きたかった。私は絶対にあきらめない」と泣き続けた。
元ワールド王者同士の殺気あふれる試合。岩谷がIWGP女子王座の価値を一層高めた。20年8月に発売した自伝「引きこもりでポンコツだった私が女子プロレスのアイコンになるまで」を原作とした映画「家出レスラー」が今年5月に公開予定。周囲の盛り上がりに応えるように、その活躍はこれからも続きそうだ。