職場でのスッキリエピソードがSNS上で大きな注目を集めている。
「『事務員やケアマネも現場で介助に入るべきだと思います』ってお局が施設長に直談判に来る。お局の言い分をまとめると、『現場は人手が足りない』『事務所で暇そうにしてるのが腹立つ』『みんなで協力したい』だそうだ。近くで聞いていて、あまりにも酷い内容だったので口を挟もうとしたら、施設長が『〇〇さん(お局)からすると現場は介護現場になる。でも事務員からすると現場は事務所になるし、ケアマネは膨大な書類に追われながら居宅を何件も回らなければいけない。職種が変わればそれぞれの現場も変わるんです。フロアだけが現場ではないことを理解してほしい』って言ってて、マジそうだよなって思った。それと、お局が動けばすぐに解決するのになって思った。」
と件のエピソードを紹介したのは介護職のジッピーさん(@zippy_desu)。
自分の携わっている仕事こそが最重要で、優先されるべきだと思っている典型的な視野狭窄タイプのこの「お局」。施設長が常識的な判断を下せるタイプだから暴走は阻止できたが、こんな人が職場にいると周りはさぞ迷惑することだろう。
今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは
「そういう正論言うと怒ってなぜか足を引っ張りだすのがお局の真骨頂だったりする。」
「私は事務をしてますが、暇なんて事はありません。
通院や救急搬送も付いて行きます。
お金に関する利用者への要望なんかも日々あり、利用者さんと直接話したりもします。」
「まともな管理者がいたもんだ。そういうお局はケアマネになったら現場がプランを作るべきって言ってくる。」
「上がきちんとしているのはホントに恵まれますよね。お互い大変。
そして職場内の職種を越えた連携を支えるのもソーシャルワークなんですよね…。
別職種同士リスペクトし合わないと、結局患者さんや利用者さんの不利益になりかねない。」
など数々の共感の声が寄せられている。
ジッピーさんにお話を聞いた。
ーーこの「お局」のプロフィールや仕事ぶりへの印象などお聞かせください。
ジッピー:50代後半でプライドが高い、自己中心的なタイプの方です。
普段の仕事ぶりは、負担の大きな仕事は他の職員に任せて、楽な仕事だけを選んでいるように見えます。例えば、トイレ介助や排泄介助などの負担の大きい仕事は他の職員に押し付けて、フロアの見守りや洗い物など比較的楽な仕事を率先して行います。またナースコールが鳴ると自分は動かず、「〇〇さんナースコール鳴ってるから行って!」と指示ばかり出しており、他の職員からの苦情もあって、度々指導しています。
ーー施設長の説明を聞き、お局の反応はいかがでしたか?
ジッピー:「介護しながらでも電話は取れる」「応援が無理なら人を増やしてほしい」と反論していましたが、「あなたが動かないと何も変わらない」って逆に施設長に怒られ、不服そうにしてました。訴えは取り下げましたが本心では納得いってない様子です。
ーー狭い視野でしか仕事を理解できない人は一定数存在するようですね。
ジッピー:介護の仕事は、様々な職種が連携して成り立っています。例えば、ケアマネが介護サービスを受けられるようにするための計画を立て、相談員が受け入れの調整をして送迎をする。管理栄養士が日々の栄養管理を行い、調理師が食事を作る。看護師はお薬の管理や処置をするし、事務員は電話対応や書類管理、請求などを行う。介護職はそういった方たちのバトンを受け継いでいます。どの職種も欠かすことができない大切な仕事だと思います。
お局は、想像力が欠けているんだろうと思います。他の仕事にも辛いことや大変なことが必ずあるはずです。介護職だけが一番しんどいなんてことはない。私はそう思います。「もし自分が逆の立場でそれを言われたらどう思うか?」ってことを少しでも想像できればなぁと思います。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
ジッピー:リプの中に、「職種が変われば、現場も変わる。それぞれの職種がお互いを尊重して、利用者さんのサポートをしていきたい」ってコメントがあって、他職種の足を引っ張るよりも、まずは他職種のことを深く知って、感謝の気持ちを持つことが大切だと改めて思いました。またお局を抱えている施設で働く方の中には、嫌な思いや苦しいことにも耐えている方もいるだろうと思います。そういう方が気持ちよく働けるような環境を、管理する側が作ってあげてほしいと心から願っています。
◇ ◇
読者のみなさんの周りにもこの「お局」のようなタイプの人はいないだろうか?もし巡り会ってしまった時はジッピーさんの職場の施設長のように、的確な注意を与えられるよう心がけたいものだ。
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