立憲民主党の泉健太代表が29日、国会内での定例会見で、2025年開催予定の大阪・関西万博の建設費が現行の1850億円から2300億円に膨らむ見通しについて「おかしいと思いますね。ちゃんと検証し国民に説明すべき。国民が納得するかどうかってのはまた別の問題」と述べ、450億円程度の上振れに異を唱えた。
泉氏は、誘致当初の建設費が1250億円だったとして「1250億円が1・5倍になって、1850億円になった時があった。2018年ぐらいの時にも、当時の大阪府の松井知事が『今後の様々な物価の高騰とかもあえて厳しく見積もっている』と。去年の年末にも、大阪市長になった松井さんが徹底的に1850億円のラインを守ってやっていきたいと。それが1年も経たずに、なぜこんなことになっているのか。経費増で、単に認めれば国民の負担が高まる」と批判した。
物価高は2022年から進んでいたとし「何も想定外のことがそれ以降に起きたという話ではない。おかしいなと思うのは、なぜ計画通りにさまざまな手続きや建設が進んでいないのか。段取りのまずさがあったのではないか」として、発注などの手法ミスが資材などの価格高騰を招いた可能性を指摘した。
泉氏は「とにかく1250(億円)から1850になり、2300億円になるというのをただ許容していくということでは、いけないんじゃないでしょうかね。政府だって、ちゃんと予算の管理をしなければいけませんし、運営側の課題についても今から修正をしていかなければいけませんし、経費で削れるところが何かないか検討をするべき」と主張した。
日本維新の会の馬場伸幸代表は28日の会見で、万博建設費の増額分を国が主体的に負担するべきとの考えを示している。泉氏は「そもそも増額が、果たして妥当なものなのかということがいま問われていますから、まずそちらを問うところが先」とけん制した。
大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)を万博開催地にしたことが、建設費の上振れを招いたのではとの記者団からの問いに「あの場所を選んだのは、大阪側の意向もかなり強かったと聞いている。場所を選んだことによる経費負担があったとすれば、それは当然、その場所を推した方々の責任」と話し、大阪府・市の負担に言及した。