ロシアが、拉致したウクライナ人の子供らに対して、「母国憎悪」の洗脳を行っているというが分かってきた。デイリー・テレグラフ紙の調査によると、戦火のウクライナから違法に連れて来られた若者らを「ロシア化」する活動がモスクワで実施されているという。
ロシア占領下のウクライナの地域やクリミア半島で教育を受けた子供らは、プーチン大統領が昨年開始したウクライナ侵攻の責任は「ナチスとNATO(北大西洋条約機構)にある」と教えられている。生徒らはロシアの国歌を強制的に歌わされ、歴史的正確性の欠けた教科書を使い、母国での残虐行為に責任のあるロシアの軍人らに感謝の手紙を書かせられてもいるという。さらには、学校に軍事訓練が組み込まれていることもあり、場合によってはチェチェン共和国に送られる生徒もいるという。
プーチン大統領と、大統領府子どもの権利担当委員マリア・リヴォワ=ベロワには国際刑事裁判所から、ウクライナの子供らの不法国外追放による戦争犯罪人として逮捕状が出ている状況だ。
ロシア占領地から子供を救出する親たちを支援するNGO団体、セーブ・ウクライナの創設者ミコラ・クレバ氏は、感化されやすい子供たちをロシアは洗脳しているとしてこう話している。「ある地域から別の地域へと子供を移しているだけではありません。子供たちの人口、彼らの心、そして彼らをロシア化し、最終的にウクライナに刃向かう武器として使うことに関して私たちは闘っているのです」