「腐ったミカン」から42年、直江喜一が還暦初舞台に挑戦 縄文人の苦悩体現、60代も会社勤務と両立

北村 泰介 北村 泰介
赤いちゃんちゃんこ、大黒帽子姿で還暦祝いをファンの前で行った直江喜一=昨年11月、東京・銀座
赤いちゃんちゃんこ、大黒帽子姿で還暦祝いをファンの前で行った直江喜一=昨年11月、東京・銀座

 TBS系ドラマ「3年B組金八先生」第2シリーズ(1980年10月―81年3月放送)で「腐ったミカン」と呼ばれた不良生徒・加藤優役を演じた直江喜一(60)が今年1月で還暦を迎え、29日から始まる所属劇団「JAPLIN」の公演「JOMON」(4月2日まで、東京・下北沢OFFOFFシアター)で60代最初の舞台に立つ。直江がよろず~ニュースの取材に対して、人生の節目を迎えた現在の心境を明かした。

 定年後も引き続き建設会社での勤務を続け、これまで通り、仕事と両立させながら稽古に励む直江。前年から「還暦への助走」をつけてきた。昨年11月に東京・銀座で「定年だョ!全員集合」と題して、自身のバンド「直江喜一とオレンジブレーカーズ」のライブを開催。赤いちゃんちゃんこ、赤い大黒帽子をかぶって、一足早い〝プレ還暦祝い〟をファンの前で行っていた。

 年が明け、1月8日に還暦となって2か月半。直江は「一つの区切りを感じています。周りの人もそう感じてくれているかなと」と振り返りつつ、目前に迫った公演に向けて「〝還暦初舞台〟という意識はないですね。芝居に関してはいつも通りに!」と自然体をアピールした。

 「JOMON」は「縄文時代」がモチーフ。2018年に上演された作品をリメイクし、新たな演出を加えて上演される。「縄文時代の苦悩と現代の苦悩が混ざり合い、互いにその存在を認め合う」ことで生じる「時代を超える『愛』」を描いた作品だという。同劇団は公式ツイッター(@JAPLIN7)で「キャスト10名で下北沢に縄文時代を築き上げます」と宣言している。

 タイミング良く、「縄文時代」にスポットを当てたニュースもあった。今年2月22日の「猫の日」に合わせ、福島県郡山市にある縄文時代の遺跡から出土した「猫の頭」に見える土製品の愛称が一般公募で「じょもにゃん」に決定したと報じられた。縄文時代への関心の高さが舞台にも反映されるか。

 直江は「縄文時代って、1万2000年くらい続いていたらしいですね。それでもって、戦争がない時代。記録があるわけではないので、想像の世界ですが、現代と縄文時代を交互に描きながら物語は進んで行きます。みなさんに楽しんでいただけると思います」と見どころを語った。

 自身の役については「縄文時代の長(おさ)です」と説明。「その長の苦悩を出せればと思っています。現代につながるなー、現代と同じだなーというところを見ていただきたい」と意気込む。会社では部長職。そうした実社会での〝長(おさ)体験〟も舞台に還元する。

 「腐ったミカンの方程式」というフレーズで社会現象にまでなったドラマの最終回(81年3月27日)から42年。直江の熟練した演技が注目される。

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