コロナで人生が激変 外資系CAから35歳で女芸人に転身「CRAZY COCO」の生きる道

中江 寿 中江 寿
取材に応じるCRAZY COCO=吉本本社(撮影・石井剣太郎)
取材に応じるCRAZY COCO=吉本本社(撮影・石井剣太郎)

 エミレーツ航空のキャビンアテンダント(CA)からさまざま職を経て、35歳でお笑い芸人の道へ進んだCRAZY COCO(36)。2022年3月に吉本芸能所属となり、わずか1年弱でブレークの兆しを見せている。インスタグラムのフォロワーは21万人、YouTubeで披露したネタは100万回再生を超えるときも。最近はテレビにも活躍の場を広げる。

注目株に迫った。

 きっかけは21年7月に新型コロナウイルスに感染したことだった。入院先のベッドで初めて死を身近に感じ「やりたいことをやって人生を生きる」と決意。当時はCAを退職して建設業で働く外国人の就労サポートの仕事をしており、板挟みの立場でつらかったことも後押しとなった。

 「芸人というくくりよりも、エンターテイナーになりたいということに気付いたでんすね。39・5度の熱が続くと幻覚も見だすじゃないないですか。それで、神のお告げのようにバーッと降ってきたでんしょうね」と振り返った。

 「手っ取り早く最短の道を」とネットで検索して同年の「女芸人№1決定戦 THE W」に応募。自身の経験を生かしたCAネタで素人ながら準決勝まで進出すると、吉本芸能からスカウトされ、22年3月に東京吉本の所属になった。

 芸名の由来はCA時代に同僚や客から「あいつはヤバイ、飛んでいる、クレイジージャパニーズだね」と言われたことと、本名の徳子(のりこ)に外国人になじみがないことから「覚えてもらいやすいように。ココシャネルのココとか、ココナツのココですと自己紹介していた」ことから名前をつなぎ合わせた。

 YouTubeが活躍の中心。「金曜の午後9時とかバズりそうな時間帯を狙いますね」と戦略も立てている。昨年12月は週に1分ほどのネタを3本、長いネタを一本出すことを決め、1カ月で約100万円の収入があった。

 母一人、子一人。東京吉本所属だが病弱な母のこともあって、現在は実家の大阪から通っている。交通費、宿泊費などは自腹で赤字に。「ホンマに稼ぐならYouTuberになることですけど、テレビに出たいので」と目標へ向かっている。

 夢は米国版「徹子の部屋」とも言える「エレンの部屋」ような番組をつくること。「人を知る番組をやりたいですね。その人を掘り下げて背景にあるもの、それがメッセージなって発信できると思う」と目を輝かせる。

 「自分が挑戦できることは何でもやってみたいですね」。後悔のない人生を突き進む。

 ◆CRAZY COCO(クレイジー ココ)本名・井上徳子(いのうえ のりこ)1986年9月6日生まれ。大阪府出身。大学卒業後、商社に入社するも、エミレーツ航空のキャビンアテンダントに転職。退職後にさまざま職に就き、21年7月に新型コロナウイルスに感染したことで、なりたかった芸人を目指す。同年の「女芸人№1決定戦 THE W」でアマチュアながら準決勝進出。吉本芸能にスカウトされ22年3月に所属タレントに。YouTubeなどSNSでCAの経験を生かしたネタを披露し、100万回再生のネタも。最近はテレビの露出も増加。

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