「一石二鳥」は世界共通だった!? スペイン語から直訳でそのまま通じることわざ

島田 徹 島田 徹
画像はイメージです(anoyo/stock.adobe.com)
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 地球のどこにいても人間の考えることは結局同じ!?全く違う言葉ながら、直訳しただけで日本語のことわざになるものがある。言葉、言語を改めて考えるきっかけとして、年の初めにスペインで日常的に使われる機会の多く日本でも馴染みのあることわざや言い回しを集めてみた。

 1)Ojo por ojo diente por diente(オホ・ポル・オホ・ディエンテ・ポル・ディエンテ)

目には目を歯には歯を

2)Matar dos pájaros de un tiro.(マタール・ドス・パハロス・デ・ウン・ティロ)

 一発で2羽の鳥を殺す、つまり「一石二鳥」

 3)Un buen medicamento tiene sabor amargo(ウン・ブエン・メディカメント・ティエネ・サボール・アマルゴ)

 良い薬は苦い味を持っている、つまり「良薬口に苦し」

 4)La necesidad es la madre de invención(ラ・ネセシダッド・エス・ラ・マドレ・デ・インベンシオン)

 Necesidad は「必要性」、madreは「母」、invenciónは「発明」で、そのものズバリ「必要は発明の母」。

 5)A la tercera va la vencida(ア・ラ・テルセーラ・バ・ラ・ベンシーダ)

 3回目はうまく行く、つまり「三度目の正直」

 6)Todos los caminos llevan a Roma(トドス・ロス・カミノス・ジェバン・ローマ)

 全部の道がローマへ連れて行く。要するに「全ての道はローマへ通ず」

 7)El que no trabaja no come(エル・ケ・ノー・トラバハ・ノー・コメ)

 Trabaja は「働く(原型trabajar)」、comeは「食べる(原型comer)」という二つの動詞の活用形。つまり「働かざる者食うべからず」

 以上は旧約聖書や新約聖書、17世紀のイギリスのことわざやフランスの詩人の言葉、中国の論語といったところが語源になっている。外国の書物などから日本に入ったのと同じようにスペインへも伝わったということ。勤勉さが必ずしも美徳ではないスペインで「働かざる者…」と自分の戒めにしているとは決して思わないが、一つの価値観や考え方として理解され、日々の暮らしの中で使われ続けている。

  これらは、ことわざに限定したものだが、他にも「金は金を呼ぶ」(Dinero llama dinero)、「困った時の友こそ真の友」(En el peligro se conoce el amigo)、「安いものは高くつく」(Lo barato sale caro)など生活の知恵として手垢がつくほど使われているフレーズもある。言葉や習慣、生活様式は違えど世界的に共通していたり、共感できることはいくつもあるということだろう

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