旧統一教会の解散求め署名20万筆文化庁に提出 鈴木エイト氏「教団にとって脅威」「おびえている」

杉田 康人 杉田 康人
文化庁の担当者に旧統一教会の解散命令請求を求める署名を提出する元2世信者の小川さゆりさん(仮名、右から2人目)
文化庁の担当者に旧統一教会の解散命令請求を求める署名を提出する元2世信者の小川さゆりさん(仮名、右から2人目)

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の元2世信者や、統一教会問題に詳しいジャーナリストの藤倉善郎氏、鈴木エイト氏らが9日、文化庁を訪れ、平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散を求めるネット署名「統一教会の宗教法人解散(法人格取消)を求めます」に集まった20万4588筆のネット署名と、教団の解散命令を裁判所に請求するよう求めた永岡桂子文科相宛ての申入書を担当者に提出した。

 提出後に都内で行われた会見には、藤倉氏や鈴木氏、元2世信者の女性2人のほか、全国統一教会被害者家族の会副会長の石原正志氏、漫画『「神様」がいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』の作者で知られる漫画家の菊池真理子氏などが出席した。

 署名呼びかけ人の一人で、2世信者だった冠木結心さんは会見で「統一教会がこの30年間行ってきたことは世界平和と程遠い深刻な金銭的被害、家族崩壊、人生破壊。救済法案が通過しましたが、国会で話し合われること自体が異常な宗教法人。まだ信者である私の親族も含め、これ以上の被害を食い止めるためには、次世代につなぐ答えが必要。それがやはり解散であることは間違いない」と強調した。

 2世信者だった井田雫さんも「私の親も、この30年の間に献金要求に苦しんできました。もし30年前、この教団に何かしらの規制や罰則がしっかりと行われていたら、私や親の被害や多くの被害者は出てこなかった。私のような苦しむ人はもう出てきて欲しくない。同じことを繰り返さないためにも、新たな時代に毅然(きぜん)とした対応をお願いしたい」と求めた。

 鈴木氏は「宗教法人法の中の団体ではありますけど、実態はカルト団体。こういう団体をしっかり規制する法案をまがりなりにもできたということで、やはり一歩踏み込んで解散命令請求をしっかり進めて欲しいということで、呼びかけ人になった」と、中立的立場が求められるジャーナリストながら、署名呼びかけに加わった経緯を説明した。

 旧統一教会をめぐる被害者救済法案は8日の衆院本会議で可決され、今回で成立する見通しに。鈴木氏は「直近の教団の動きとしては、解散命令をしないで下さいと嘆願書を架空の信者組織で岸田総理宛に出しましょうという動きになっていたり、各地方議員に陳情を組織的に出しているという状況。解散命令請求の署名が20万人集まったというのはかなり脅威に、おびえていると思います。テッシー(世界平和統一家庭連合の勅使河原秀行・本部長)に聞いてみたい」と分析した。

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