鳥取県鳥取市の青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡から出土した弥生時代後期の人骨をもとに復元した「青谷弥生人」のそっくりさんを決める県主催の「とっとり弥生の王国 青谷弥生人そっくりさんグランプリ」が28日、同市で行われ、10人のファイナリストの中から大阪府の会社員、吉田昌弘さん(35)が初代グランプリに選ばれた。
一般投票やウェブ投票などで、弥生人に激似認定された吉田さん。グランプリ決定前のステージで「これをきっかけに、娘が口をきいてくれなくなったり『おまえの父ちゃん弥生人』と指差されないかが心配」と話していたが〝危惧〟は現実に。「ごめんね…おまえの父ちゃん、弥生人やわ」と娘にわび、笑いを誘った。
同遺跡から2000年に出土した約1800年前の人骨のうち、3体の頭蓋骨に弥生時代後期だった当時の人の脳が残されていた。鳥取県では、国立科学博物館の監修を受けながら、頭蓋骨の形態やDNAの分析結果をもとに顔を復元。2021年10月、青谷弥生人の復顔像を公開すると、SNS上などで「誰かに似ている」と話題になった。
そっくりさん募集には、全国から215人が応募。AIでそっくり度を数値化するなどして、10人の最終候補者を決定した。平井伸治知事(60)が「本当に紙一重。誰がそっくりさんになっても間違いない」と話すほどの激戦だった。
吉田さんは営業マンながら、弥生人に似せるため〝ご法度〟の長髪、無精ひげで営業に回っていたという。平井知事は「その格好で営業に行けば、好成績間違いない!」と、弥生人の服装を着た吉田さんにエールを送っていた。