ゴーオンジャー・古原靖久 児童養護施設で育った経験もとに“提案”「ランドセルよりロボ型トイを」

松田 和城 松田 和城
俳優の古原靖久
俳優の古原靖久

 「炎神戦隊ゴーオンジャー」のゴーオンレッドこと江角走輔役で知られる俳優の古原靖久(35)が、4月28日に「トランスフォーマー」の米国・中国で大ヒットしたロボ型トイ「フラッグシップ オプティマスプライム」の日本向け新作に触れ大興奮した。自身が東京・阿佐ヶ谷の児童養護施設「聖友学園」で育った経験をもとに「養護施設に置かれたらそれこそ”ヒーロー”です。ランドセルよりもこれを送った方がいいと思います」と笑顔を見せた。

 オプティマスプライムは多くのシリーズ作品に登場するメインキャラクター。新宿マルイ本館でこの日から、同おもちゃの展示企画が開始された。全長約50センチのロボットが、スマートフォンからの遠隔操作や音声制御によって、車に変形したり銃やおのを振り回したり、腕立て伏せなどを行う。「ハイ、オプティマスプライム」と話しかけると起動。「トランスフォーム!」「攻撃!」「もっと力を!」など40種類以上のキーワードを続けるとロボットが対応した動作を実行する。

 古原は「究極のおもちゃ。これ以上はないんじゃないですか。おもちゃを超えて本当に生き物みたい。実際に自分の目の前にオプティマスプライムがいる感じ」と声を弾ませた。好きなポーズや動作を1秒、1度単位で設定し再現できる「プログラミングモード」や車状態でのラジコンモードも体験。少年のように目を輝かせて楽しんだ。「ゴーオンジャーの変身ポーズを再現したいです。完成したらユーチューブにあげたい」と語った。

 古原は離婚をきっかけに、母親に養護施設に預けられ5歳から18歳までを過ごした。小学5年生の時以来、母親と会った記憶はない。「施設でのおもちゃはお下がりが多いので、だいたい壊れていたり動かなかったり。ロケットパンチ系のものはすべて手がなかったですね。マジンガーZとか」と振り返った。

 コロナ禍までは出身施設の子供たちと交流を行い、以降も「東京五輪」で自身が聖火ランナーを務めた際のトーチを展示するなど、さまざまな活動で施設のことを気遣っている。「『ゴーオンジャー』で変身した後のメットのおもちゃとか、最終回の衣装のジャケットを置かせていただいたりしています。なのでこれ(オプティマスプライム)も置きたいですね。『僕がこれPRしたんだよって』。子供たちの間で取り合いになって壊れてほしくないので、僕がいないときは絶対触らせないですけど」と冗談交じりに話した。

 古原がシリーズで最も夢中になっていたのは1997年からテレビ東京系で放送されたアニメ「ビーストウォーズ超生命体トランスフォーマー」。同作の主人公・オプティマスプライマル(当時の日本版ではコンボイ)の冷静沈着で頼もしい部分に憧れを抱き、理想の”ヒーロー像”を思い浮かべたという。時は流れ、2008年から放送された「ゴーオンジャー」でヒーローを演じることに。「実際に自分がヒーローになったら、引っ張っていくタイプではなくてみんなに支えられるタイプのリーダーだったのでライオンコンボイとはまた違うタイプのヒーローでしたね。そういった意味では僕からするとやっぱり憧れで、当時からのヒーローですね」とうなずいた。

 同商品はタカラトミーの監修のもと、Robosen Robotics社が開発。正規代理店である行雲商事が販売し、米国・中国で品薄になるほどの爆発的な人気を博した。大のロボットファンである惠昊(けいこう)社長が「トランスフォーマー」の本拠地である日本での販売を熱望し、企画考案からわずか4カ月で発売に至った。昨年12月頃から秋葉原・ラジオ会館前のデモンストレーションやイベントで英語版のデモ機を披露。その際のファンの要望に応え、オプティマスプライムの日本版を担当する声優・玄田哲章の声を収録した。40以上のセリフは「私にいい考えがある」といった人気の高いものを中心に決定したという。

 古原は、未見のシリーズ作品に関心を示したといい「玄田さんの声でセリフを聞いたので、そのシーンを横に置いて確認したくなりましたね『ここのシーンか!』みたいに再現したいです」と意気込んだ。

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