昭和の国産旧車がブームだという。レアな人気車は数千万円の高値で取引されているが、その旧車にフォーカスしたCS放送「映画・チャンネルNECO」の新番組「旧車探して、地元めし」の第1、2話が26日夜11時10分から初回放送される。升毅が演じる主人公の「幻のカーディーラー」が車の買い付け先で魅力的な旧車や女性と出会い、地元の食べ物も紹介するという情報番組の要素を加味した30分枠のドラマだ。旧車の魅力について、同番組の新保和也プロデューサーに話を聞いた。
第1回の浜松編では「1973年式 日産スカイライン2000GT-R」、通称「ケンメリ」が登場。当時、限定200台弱で売り出されたうちの1台で、現在の販売価格はなんと8000万円超え!同回では「1970年式ホンダ1300クーペ9S」「1972年式スバルFF1デラックスワゴン」など、第2回では升とゲスト出演の壇蜜が同乗する「1985年式ホンダシティ カブリオレ」をはじめ、「1977年式 三菱ギャラン ラムダエテルナ」など名車の数々が登場する。
--昭和の国産旧車をフィーチャーした経緯や背景は?
「映画『さらば あぶない刑事』公開時に、テレビドラマ時代の劇用車『日産レパード』が今は高値で取引されているとのエピソードを聞いて、中古車サイト見ると80~90年代前半の自動車が当時の中古流通価格よりもはるかに高い事実に驚いたんですね。旧車ブームって70年代のSLブームと同じ空気感を感じるんですね。今、ガソリン系で動く自動車が世界的な電動化の流れで消えていこうとしている中で、絶滅危惧種である旧車はSL以上に身近でかつコレクター要素もあると思ったんです。だってSLはどうやっても家に置けないし、運転できないし…」
--高額なプレミアの付いた国産旧車の印象とは。
「ドラマにも出演している社長さんから聞いた話でもあるんですが、半世紀越えの車体なのに新車当時の『完全ノーマル仕様』で、『経年劣化するはずの外装がサビないこと。劣化したら替えの効かないはずのシートやプラスチック部品が当時のであること!』。これには驚きました。こんな完全な形の『上物』、世界中にもほとんどないのでは」
--旧車人気には、アナログレコードが若い音楽好きに注目されているような現象に通じるものを感じるが。
「オーディオ、クルマ、バイクなど昭和時代のプロダクツは、やっぱり『生き物』ですよね。今日は機嫌よく動くけど、明日はどう反応するか分からない!壊れ方も大事に使えば、人の寿命と同じで『ジワ~っ』と止まり、いつの日か再起不能になる。しかし、その機械たちとの思い出は残る。その点、今時のプロダクツではあまりそんな事を感じる品物は少ないですよね」
--番組製作で接した中古車業界の人たちに教わって印象に残っていることは。
「旧車の燃費をお店でうかがいましたが、リッター3~4キロで、エンジンの負担も考え、ハイオクを給油しているとか…。維持=延命させるのも大変なんですよね。それが、80年代後半以降の旧車維持はさらに過酷。それは、自動車内部にコンピューターパーツが入ったこと。エンジン制御など当時の先進技術やデジタルメーターとかをメンテするのはかなり手が掛かると教えてくれました」
--主演の升さんについて。また、壇蜜さんら女性ゲストに求めたことは?
「升さんのキャスティングについては何人かの(候補の)中のお一人でしたが、この企画開発が始まる前にBS日テレ『おぎやはぎの愛車遍歴』で自身のホンダ車愛を語る回を思い出し、お願いしました。升さん自ら運転する姿と、地上波ドラマに出る升さんのイメージとは違うキャラクターが必見です。また、美女とクルマは昭和時代には表裏一体な関係で、『イイクルマに乗る』がモテるための王道だった時代のオマージュです!壇蜜さんの回は『「思わせぶりワード全開』を演じてもらいました」
--「令和の大人たち」にアピールしたいことは?
「平成で例えるなら、スライド、二つ折、ストレート、変形と・・・様々な個性的なデザインがあったガラケー。それ以上に昭和の自動車は意欲的で個性的な製品がいっぱいあったのを見て欲しいです。『ツルんとしたデザイン』に飽きた人は、『直線×直角』構成のゴツイクルマとか、『無鉄砲な機能やデザイン』の憎めないクルマたちを見て感じてパラダイス!です」
カブリオレのキャッチコピーだった「脱いで、パラダイス」。若者の車離れが指摘されているが、その一方で、カーライフに楽園(パラダイス)を求める人たちがいる。詳細は「映画・チャンネルNECO公式サイト」へ。
◇ ◇ ◇
NECO特設ページ:https://www.necoweb.com/neco/sp/kyusha/
NECO公式サイト:https://www.necoweb.com/neco/