東京・渋谷パルコで懐かしいアニメとコラボした「エターナル(永遠の)少女café」が3月21日までの期間限定で開催されている。月刊少女漫画誌「りぼん」(集英社)に連載され、1992~2002年にテレビ放映されていた5作品「姫ちゃんのリボン」「赤ずきんチャチャ」「ナースエンジェルりりかSOS」「こどものおもちゃ」「満月をさがして」の世界観を表現したメニューを提供し、当時の少女心をくすぐる〝乙女・レトロちっく〟なデザインのオリジナルグッズを販売している。
少女向けのアニメでは「セーラームーン」のように世代を超えた人気作でも、現在進行形で大ヒット中の「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」とも異なる作品群とのコラボ。カフェ担当者は「今回のキャラクターたちは〝あの頃の私〟にまた出会わせてくれる、そんなエターナル少女たちだと思います」とカフェ名に込めた思いを説明。その上で「大人はこうあるべきだ、大人らしく、という、大人は子供の頃と違うものを嗜むべきという考え方から『子供の頃からずーっと好き』という気持ちを大切にする方がたくさんいるという時代に変わってきた背景に着目しました。若者イコール時代のトレンド、というある種の固定観念ではなく、もっと幅広い年齢層が時代のトレンドではないか」との考えを方向性に据えた。さらに「『誰もが』という大衆性ではなく、昨今の多様性『私だけの』というパーソナル性を大切にというコンセプトをもとに、今も変わらずかわいく力強い少女の気持ちを持った〝永遠の少女たち〟に向けて今回のキャラクターを選ばせていただきました。もちろん、他にもたくさんのキャラクター候補がいます。今でも露出の多いキャラクターは〝今の自分〟と向き合ってくれます。ですが、今回のキャラクターたちは〝あの頃の私〟にまた出会わせてくれる、そんなエターナル少女たちだと思います」と続けた。
「幅広い年齢層」「多様性」をコンセプトにした今回のカフェ。2017年~2018年に開催した「らんま1/2」のように、リアルタイムで視聴していた層と、メーンターゲット層との相乗効果を期待している。「これからもアニメ、漫画だけでなく様々なジャンルとのコラボレーションカフェを開催予定です」と呼び掛けた。
渋谷パルコの「TOKYO PARADE goods&cafe」で開催中の同カフェ。考えを巡らせた、さまざまなメニューで来店者を楽しませる。
水沢めぐみ「姫ちゃんのりぼん」は主人公・野々原姫子を大谷育江が演じ、当時SMAPの草なぎ剛(「なぎ」は、弓へんに前+刀が正式表記)が支倉浩一役を務めたことでも知られている。メニューは姫子の親友であるライオンのぬいぐるみ、ポコ太が大好きなドーナッツから「ポコ太のメープルチキンドーナッツサンド」「姫ちゃんとポコ太 夢のドーナッツタワー」を提供する。
彩花みん「赤ずきんチャチャ」では、メインキャラのチャチャを鈴木真仁、しいねちゃんを日高のり子が演じたことに加え、当時SMAPの香取慎吾がリーヤを好演したことでも有名。メニューは作中で料理上手に描かれたしいねちゃんから「しいねちゃんのお手製カレー」、仲良し3人が一緒でないとチャチャが変身できないことから3種のデザートを盛り合わせた「赤ずきんチャチャのデザートプレート」、ずきんをイメージするいちごとミルクが合わさって変身をテーマにした「マジカルプリンセスのいちごミルク」を作成した。
「ナースエンジェルりりかSOS」は原作・秋元康、作画・池野恋の豪華タッグによる作品。秋元康と小室哲哉による主題歌でも話題になった。メニューでは地球を救うために探し求めている「命の花」をモチーフに元気なりりかのイメージを鮮やかな色合いのフルーツで表現した「りりか命の花パフェ」、ナースエンジェルの聖なる力の源「緑のワクチン」から、スポイトに入った緑の液体を注入するとメロンソーダになる「ナースエンジェルりりかのワクチンソーダ」を提供する。
小花美穂「こどものおもちゃ」はこどもの視点から社会問題をのぞく風刺的な側面がスパイスとなったコメディ作品。アニメは全102話の人気作となり、大地丙太朗監督の遊び心がパロディなどで随所に発揮された。メニューは元気っ子の紗南をイメージした黄色のチェダーチーズとホワイトソースとデミグラスで豹柄を作ってヒョウ羽山を表現したソースが味わえる「紗南と羽山のオムライス」、ママの頭の上に定住するペットのまろちゃんをもじったマロンでママの髪型を再現し、まろちゃんのイラストもなかを乗せた「まろちゃんのチョコマロンドリンク」を作成した。
アニメとほぼ並行して連載された種村有菜「満月をさがして」は、大病を患う12歳の神山満月が死神と出会い、死神の能力で16歳の姿に変身し、アイドル活動を行う物語。メニューは死神のコンビ名「ねぎラーメン」を率直に反映させた「タクトとめろこのねぎラーメン」、主人公・満月(みつき)の最愛の人・英知が教えてくれた「月は太陽がないと輝くことができない」という言葉をモチーフに、雲に見立てた綿飴にレモンジュースをかけると色とりどりのフルーツアイスがあらわれて満月が輝いているイメージを表現した「満月のまんげつチーズケーキ」を提供している。